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On the Production
by 井口健二
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■第86回
はオドレイ・トトゥーとジャン・レノ。そしてイギリスから
発端の情報を提供する貴族の役でイアン・マッケランと、メ
キシコからはスペイン系の僧侶の役でアルフレッド・モリー
ナの共演が発表されている。なお、マッケランは同時期に撮
影と公開が予定されている“X-Men 3”にも出演が発表され
ているが、調整は大丈夫なのだろうか。
* *
次もキャスティングで、前回紹介したジェリー・ブラッカ
イマー製作、トニー・スコット監督のロマンティック・スリ
ラー“Deja Vu”の主演に、『クリムゾン・タイド』に主演
したデンゼル・ワシントンへの出演交渉が発表された。因に
スコット監督とワシントンは、昨年全世界で1億ドル突破の
大ヒットとなった『マイ・ボディガード』でもコラボレーシ
ョンを展開したばかりだが、実は今回の計画でも、スコット
監督は当初からワシントンの主演を希望していたようだ。し
かし、ワシントンがブロードウェイでシェークスピア劇への
出演を目前にしたタイミングで、その公演が始まるまで交渉
が控えられていた。そして公演が始まって晴れて交渉が行わ
れたもので、タイムパラドックスに悩むFBI捜査官をワシ
ントンがどのように演じてくれるか、楽しみだ。
* *
もう一つは本気かどうか判らないのでここに廻したが、ジ
ョン・タートルトーブ監督が『ナショナル・トレジャー』の
続編として“International Treasure”という作品を中国で
撮影する計画を公表した。この公表は、実は3月半ばに中国
での公開を控えて行われたプレミア上映の挨拶の中で発言さ
れたもので、多分にリップサーヴィスの可能性はあるが、監
督本人のウェブサイトでも、以前から続編は、「ロマンティ
ックで、ミステリアスな国で作りたい」と発言していたとい
うことで、監督にとって中国がリストのトップであることは
間違いないようだ。因にこの2つの題名に関しては、過去に
エリザベス・テイラー主演の“National Velvet”(緑園の天
使)の続編が、テイタム・オニール主演で“International
Velvet”の題名で製作されたことがあるものだ。
* *
最後に訃報で、シルヴェスター・スタローン主演の1985年
作品『ランボー/怒りの脱出』などを手掛けたジョージ・パ
ン・コスマトス監督が、4月半ばに肺ガンにより64歳で亡く
なった。
コスマトス監督はイタリアの出身で、本名のファーストネ
ームはヨーゴだったということだが、オットー・プレミンガ
ー監督の『栄光への脱出』の助監督を務めたのが始まりで、
その後『その男ゾルバ』にちょい役で出演したり、映画誌に
寄稿したりした後、1977年の鉄道パニック作品『カサンドラ
・クロス』で注目された。またスタローンの主演では、1986
年の『コブラ』も撮っている。しかし僕にとって懐かしいの
は1989年の『リバイアサン』で、当時海洋パニックものが量
産された中に埋もれた作品ではあるが、アクションアドヴェ
ンチャーとしての出来は良かったと記憶している。
最後の作品は、1993年にカート・ラッセル、ヴァル・キル
マー主演で撮った『トゥーム・ストーン』だったそうだが、
実はこの作品は、別の監督が降板した後を急遽引き継いだも
ので、そういった職人芸も発揮できる監督だった。訃報はリ
チャード・ドナー監督によって伝えられたもので、最後まで
そのような人が側に居たことは嬉しい。冥福を祈りたい。
05月01日(日)
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