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On the Production
by 井口健二
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■第85回
 このオリジナルは、1998年に公開された『ディープ・イン
パクト』の原作としても記録されている作品だが、元々は、
社会風刺作家としても知られるアメリカの作家フィリップ・
ワイリーが1933年にエドウィン・パーマーと共著で発表した
SF小説に基づくもので、放浪惑星の接近という史上最大の
災厄を前にした人類のさまざまな行動が描かれている。
 そしてパル版の映画化では、最後に人類の生き残りが宇宙
に飛び出し、新世界の創造を目指すという壮大な展開となっ
ているものだ。しかし1998年作では、そのような展開とはな
っていなかった。
 そこで今回発表されたソマーズの計画では、わざわざリメ
イクと名告っているもので、これは間違いなくパル版のリメ
イクを目指してもらいたいものだ。なお、原作者のワイリー
は、1934年に“After Worlds Collide”という続編も発表し
ており、リメイクにはそちらも考慮してもらいたいものだ。
 なおソマーズ自身の製作会社ソマーズCo.は、依然ユニヴ
ァーサルに本拠を置いており、ここでは“Flash Gordon”の
リメイクの他、最近トップカウ・コミックスの“Proximity
Effect”という女性主人公のアクション作品の映画化権も契
約している。しかしこれらの作品では、ソマーズは監督はせ
ずに、製作か、製作と脚本のみ担当する計画のようだ。
        *         *
 製作でもめた『エクソシスト』前日譚で、ポール・シュレ
イダー版のアメリカ公開が決定した。この経緯に関しては、
昨年4月15日付の第61回で紹介したが、先に公開されたレニ
ー・ハーリン版“Exorcist: The Beginning”の前に完成さ
れていたシュレーダー版を、5月20日に全米公開することに
なったものだ。ただし問題は公開題名で、これはハーリン版
と同じにすることは許されない。そこで、実は先に公開され
たオランダでは“Paul Schrader's The Exorcist: Original
Prequel”という題名も使われたようだが、アメリカでの公
開題名は、“Dominion: A Prequel to the Exorcist”とな
るようだ。
        *         *
 昨年6月15日付の第65回でも紹介したハナ=バーベラのテ
レビアニメーションシリーズ“The Jetsons”の実写映画化
で、計画が継続中であることが報告された。すでにサム・ハ
ーパーの脚本も完成し、アダム・シャンクマンの監督も決定
している状態だが、製作配給を手掛けるワーナーでは、主人
公のジョージ・ジェットソン役にスティーヴ・マーティンを
希望して交渉を続けているようだ。また製作は実写とCGI
の合成で行われるということで、オリジナルには傑作な愛犬
が登場するが、ワーナーでは『スクービー・ドゥー』で完成
させた技術を応用することになるようだ。それなら逆にロボ
ットは、着ぐるみでやってもらいたいものだ。
        *         *
 最後に、ファンには嬉しい情報で、来年5月26日の公開が
予定されている“X-Men 3”に、ヒュー・ジャックマン、ハ
ル・ベリー、イアン・マッケラン、パトリック・スチュアー
トに続いて、フェムケ・ヤンセンが契約したことが発表され
た。ヤンセンは、前2作ではジーン・グレイという役で登場
しているが、今回はフェニックスという名前になるようだ。
その理由は…ファンの方ならお判りだろう。

04月15日(金)
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