ID:47635
On the Production
by 井口健二
[459606hit]

■最後の恋のはじめ方、フィーメイル、コンスタンティン、ZOO、レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語、ブレイド3、帰郷
ッド・S・ゴイヤーが監督も担当したもので、これで3部作
の完結というふれこみになっている。          
                           
『帰郷』                       
1998年の『楽園』という作品で芸術祭賞なども受賞している
萩生田宏治監督の作品。                
都会で暮らしている30代半ばの男が、独り身だった母親の再
婚の祝いに呼ばれて帰郷することになるが、そこには初恋や
初体験などの苦い思い出が渦巻いている。しかも初体験の相
手は、バツ一になってその町で暮らしており、彼女は女手一
つで娘を育てていた。                 
そして再会した2人は再び関係を持ち、翌日男は誘われるま
まに彼女の家を訪ねるが、そこには娘だけがいて、母親は蒸
発していた。こうして主人公は、幼い子供と共に母親の行方
を探すことになるのだが…               
別段、自分にこのような体験があるわけではないが、近いと
はいえ故郷を離れて東京で暮らしている身には、主人公の心
情はそれなりに理解できる。故郷で旧交を温めるシーンでの
疎外感なども、うまく描かれていた感じだ。       
ただし本作は、そこから発展して自分探しの旅になって行く
ものだが、その辺の気持ちも判る物語だった。      
ただ撮影のテクニックで、意図的かも知れないが、夜間シー
ンでのハレーションが煩わしく、少し疑問に感じた。充分な
ライティングのできない撮影での難しさはあるかも知れない
が、もう少しなんとかしてもらいたかったものだ。    
それから物語では、主人公が翌日出勤と言い続けながら、出
勤できないとなってからも、その連絡を取るシーンのないこ
とが気になった。まあ些細なことだが、上映時間82分の作品
なのだから、もう1分ぐらい使ってそのシーンを描いたほう
が、安心できると言うものだ。             
なお出演者の中で、娘役の守山玲愛がなかなか良かった。  

02月28日(月)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る