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On the Production
by 井口健二
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■第80回
 そして今回の脚本は、ゲイマンとアヴェリーが1997年にゼ
メキス主宰のイメージムーヴァースと契約して、アヴェリー
の監督で進めていたものだが、一旦は計画が放棄され、権利
も脚本家の許に戻されていた。しかし、昨年になってアヴェ
リーが再び計画を提出し、その際にゼメキスが監督すると言
い出したもので、当初は自分で監督を希望していたアヴェリ
ーも折れて、今回の発表となったようだ。
 因に、製作費は7000万ドルが予定され、この製作費はビン
グ主宰のシャングリ=ラが全額出資、ソニーは配給のみを担
当する。そして製作には『ポーラー…』と同じ技術が使われ
るとされている。なお、イメージムーヴァースでは、すでに
パフォーマンス・キャプチャーの第2弾“Monster House”
の製作を、来年7月の公開を目指して進めており、今回の作
品は第3弾となるものだ。
 ところで今回製作に加わったスティーヴ・ビングは、『ポ
ーラー…』が初の大ヒットとなった映画製作者だが、元々が
大金持ちなのだそうで、今回も200万ドルの契約金や、7000
万ドルの製作費を即金で用意できる人物ということだ。また
今回は、以前はワーナー傘下にあったプロダクションを契約
満了にともなってソニー傘下に移したところで、この他にも
アルバート・ブルックス監督によるコメディ作品や、デンマ
ーク映画からのリメイクで、モーガン・フリーマンとアンソ
ニー・ホプキンスが共演する“Harry and the Butler”など
の計画も発表されている。
        *         *
 後は続報で、まずはソニーから、来年5月19日の全米公開
が発表されているトム・ハンクス主演、ロン・ハワード監督
による“The Da Vinci Code”の映画化に、ジャン・レノと
オドレイ・トトゥの出演が発表された。元々フランスが舞台
の作品だからフランスの俳優が登場するのは当然だが、特に
トトゥの出演は、作品にフランス映画の雰囲気を存分に持ち
込んでくれそうだ。なお、トトゥが演じるのはソフィー、物
語の発端となる祖父殺人事件から、ハンクス演じる主人公と
共に世紀の謎を解き明かして行く重要な役どころだ。因みに
トトゥは、スティーヴン・フリアーズ監督の“Dirty Pretty
Thing”などで英語作品への出演経験はあるようだ。一方、
レノはフランス警察の刑事の役が発表されている。撮影は今
年の夏に行われる。
 昨年4月1日付の第60回で紹介した“The Assassination
of Jesse James by the Coward Robert Ford”の映画化が正
式に進められることになった。この計画は、ブラッド・ピッ
トの主演とアンドリュー・ドミニクの監督で、ピット主宰の
プランBとドミニクが所属するスコット・フリーが共同製作
するもの。すでにロアルド・ダール原作“Charlie and the
Chocolate Factory”などの製作を手掛けているプランBだ
が、ピットの主演作はこの作品が初になるようだ。プライヴ
ェートなどでいろいろ揺れているピットだが、今回の発表で
プランBの存続は決まったようで、心機一転頑張ってもらい
たいものだ。

02月01日(火)
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