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On the Production
by 井口健二
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■第77回
とになるものだが、この脚本の執筆に『25時』や『トロイ』
のデイヴィッド・ベニオフの契約が発表されている。
 そしてこの計画では、1980年代にフランク・ミラーによっ
て発表された“Wolverine”のミニシリーズに基づいて、彼
が日本に現れ、忍者の娘マリコ・ヨシダと恋に落ちる物語が
検討されているそうだ。また、ヒュー・ジャックマンは主演
する方向ということで、さらにプロデューサーのローレン・
シュラー・ドナーからは、“Wolverine 2”を進めてシリー
ズ化する意向も表明されているようだ。
 この“Wolverine”の計画は、状況からなるほどと思える
ものだったが、それに続いて今度は、シリーズの敵役でサー
・イアン・マッケランが演じたマグニトーの生涯を映画化す
る計画も発表された。
 マグニトーは、シリーズの中ではナチの強制収容所でその
能力を発現したと設定されているということで、今回の計画
は、その時代を描くもの。ここでは、シリーズでパトリック
・スチュアートが演じたプロフェッサーXとの交流も主要な
テーマとなるということだが、2人が友情を育みながらも、
ミュータントの将来への展望の違いから、敵対して行く姿が
描かれるということだ。
 題名は“Magneto”。若い頃を描くということで、マッケ
ラン、スチュアートの出演は未定だが、この脚本の執筆を、
“The Longest Yard”のリメイクを手掛けたシェルドン・タ
ーナーが契約したことが発表されている。因にターナーは、
先に“The Texas Chainsaw Massacre”のリメイク版の続編
のストーリーを執筆したということで、ここでは殺人鬼の生
い立ちを描いたということだが、本作でも同じような生い立
ち記を描くことになりそうだ。また、ターナーは、本作では
『戦場のピアニスト』meets“X-men”のような展開を考えて
いるということだ。
 前の記事でも書いたように、“X-Men 3”の実現はかなり
流動的なようで、勿論製作者たちは本編の製作が第一という
発言を繰り返してはいるのだが、そろそろサイドストーリー
で繋いでおこうという考えも強くなり始めているのだろう。
これで良い時期に本編が再開できれば最高なのだが。
        *         *
 最後のパラマウントから、またもやトリロジーの計画で、
“The Anybodies”という児童図書の映画化権を獲得したこ
とが発表されている。
 この原作はN・E・ボーデの文とピーター・ファーグスン
の挿絵による作品で、お話は、主人公の少女は誕生の時に取
り違えられて普通の家庭で育つが、11歳の時に自分が変身能
力を持った一族の一員であることに気付くというもの。それ
から彼女の冒険が始まるという展開のようだが、すでに続編
で、“The Nobodies”と“The Sombodies”という2作も発
表されているということだ。
 ハリー・ポッターが、やはり11歳で自分の出自に気が付く
というのと良く似た展開のようにも思えるが、まあ児童向け
のファンタシーでは、こういう展開も定石ということなのだ
ろう。因に作者のボーデは、“Girl Talk”などのベストセ
ラーで知られるヤング向け小説の作家ジュリアナ・バゴット
のペンネームだそうだ。

12月15日(水)
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