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On the Production
by 井口健二
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■第76回
興行収入に対する歩合のみの契約で今回の映画化を行ってい
るそうだ。
        *         *
 『スパイダーマン』の大ヒットで一躍トップ監督の仲間入
りを果たしたサム・ライミ監督が、原点に戻って彼自身の出
世作である1983年の“The Evil Dead”(死霊のはらわた)
をリメイクする計画を発表した。
 この計画は、ライミとオリジナルを製作して以来のパート
ナーのロブ・タペート、それにオリジナルに主演したブルー
ス・キャンベルが進めているもので、ライミとタペートが設
立したゴースト・ハウス・ピクチャーズが主体となり、キャ
ンベルも含めた3人で製作するというもの。因に、この会社
は設立されたばかりだが、第1作として手掛けた『呪怨』の
アメリカ版リメイク“The Grudge”が全米で1億ドル突破の
大ヒットを記録したものだ。
 ライミが製作、脚本、監督を手掛けた“The Evil Dead”
では、その後の1987年に“The Evil Dead II”(死霊のはら
わたII)が発表され、さらに1993年に“Army of Darkness”
(キャプテン・スーパーマーケット)が発表されているが、
今回の計画はシリーズの続きを作るのではなく、第1作のリ
メイクをするというもの。当時は低予算で充分なVFXも使
えなかったものを、今の技術と予算を掛けて完全版を作りた
いという意向のようだ。また、改めてシリーズ化も進めたい
としている。
 ただし今回の計画では、ライミは監督にはタッチしない予
定で、このため最初にシリーズ化も念頭に置いた新監督の選
考が行われ、その監督が決まった段階で新たな脚本が執筆さ
れることになっている。また、キャンベルに代る新たな主役
も選考されることになっているが、キャンベル自身も出演は
したい意向だそうだ。
 なおオリジナルの物語は、人里離れた山小屋に遊びに来た
若者たちが、その山小屋に隠された『死者の本』を発見し、
その記述を読み解いて太古の殺人鬼を甦らせてしまうという
もの。そこから始まるスプラッターの強烈さで話題になった
ものだが、単なるスプラッター描写だけでなく、物語もちゃ
んとしていたところが、今にして思えばさすがライミと思わ
せる作品だった。
 そしてこの主人公の殺人鬼は、一時“Freddy vs.Jason”
の続編に登場させる計画もあったということで、その計画は
立ち消えになってしまったようだが、その計画に絡めたライ
ミらの検討から、今回のリメイクのアイデアが生まれたとい
う可能性はあるようだ。
 いずれにしても、“The Texas Chainsaw Massacre”や、
“Dawn of the Dead”、さらに“Amityville Horror”など
往年のホラームーヴィが次々リメイクされる流れの中で、ま
た1本期待のリメイクが発表されたというところだ。
 さらにゴースト・ハウスの計画では、『The Eye』
のパン兄弟が監督する“Dibbuk Box”、“Scarecrow”、
コロムビア配給の“30 Days of Night”、スクリーンジェ
ムズから2月に全米公開される“Boogeyman”などが予定さ
れているそうだ。

12月01日(水)
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