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On the Production
by 井口健二
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■第74回
ルらの警察側の動きも描かれており、香港ノアールの名手と
呼ばれたウーにはピッタリの作品になりそうだ。
また脚本は、テレビシリーズの“Alias”や“Lost”を手
掛けるジェフ・ピンクナーが担当しているが、すでに2つの
異なるシナリオを書き上げたということだ。というのも、実
はピンクナーが最初にウーと接触したときは、リメイク権の
所在がトラブルになっており、このため彼は、実在のギャン
グの生涯に基づく物語としてシナリオを書き上げた。しかし
その後にトラブルが解消されたため、改めてリメイクのシナ
リオを書いたということだ。現状ではどちらが映画化される
か判らないようだが、できれば両方見たい気もする。
因に、ウーの計画は、最近いろいろと発表されているが、
今回Variety紙に掲載された記事によると、次回作は、ザ・
ロック主演のユニヴァーサル映画“Spy Hunter”が来年春の
撮影開始ということで、続いては9月15日付の第71回で紹介
した中国映画の“The War of the Red Cliff”、そしてその
後に今回のリメイクという予定だそうだ。他の作品は…?
* *
最後にホラー映画のリメイクの情報をまとめて紹介してお
こう。
まずは、1980年にジェイミー・リー・カーチス主演で映画
化された“Prom Night”のリメイクが、『呪怨』のアメリカ
版リメイク“The Grudge”を手掛けたスティーヴン・サスコ
の脚本で計画されている。このオリジナルは、カナダ製作の
作品で、後に『新スタートレック』のテレビシリーズなどを
手掛けるポール・リンチがデビュー作として監督、学年末の
プロム・パーティの夜に起こる恐怖の連続殺人が描かれる。
そして今回のリメイクでは、同じ物語を視点を変えて描くと
いうことで、製作は来年早々に開始されるということだ。因
にこの情報は、“The Grudge”の全米公開の前に流されたも
のだが、その後の注目度が変っていそうだ。
お次は、1979年の製作でジョン・カーペンターが監督した
“The Fog”のリメイクを、『ザ・コア』などのクーパー・
レインの脚本で、来年2月の撮影開始で進めることが発表さ
れている。このオリジナルは、北カリフォルニアの漁村を舞
台に、100年前に沈没し成仏できないままでいた船の乗組員
たちの怨念が引き起こす恐怖を描いたもの。当時のカーペン
ターは、100万ドルの製作費と2台のフォッグマシンで映画
を作り上げたということだが、今回は物語に合わせてそれな
りのエフェクトも使用する計画だそうだ。なお、リメイクの
製作者にはカーペンターとオリジナルの製作者のデブラー・
ヒルも名を連ねている。
そしてもう1本は、1958年にスチーヴ・マックィーン主演
で製作された“The Blob”のリメイク。宇宙から飛来して人
間を溶かして吸収する謎の生物の恐怖を描いたこの作品は、
実は1988年にもリメイクされているが、その時の脚本はフラ
ンク・ダラボンが手掛けていた。今回はこの作品を、『スク
ール・オブ・ロック』などのスコット・ルーディンの製作で
リメイクするもので、脚本家の名前は明らかにされていない
が、現代化した物語として進めているということだ。
(なお、東京国際映画祭の上映作品の紹介及び各授賞に対す
る僕の意見は、今週末までにまとめてアップする予定です)
11月01日(月)
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