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On the Production
by 井口健二
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■第62回
などが予定されており、今後もこれらの作品が続々と製作さ
れることになるようだ。
        *         *
 コミックスの映画化で、ニューラインでマーヴルコミック
スを映画化する“Iron Man”の脚色に、『X−メン』とその
続編も手掛けたデイヴィッド・ハイターの契約が発表されて
いる。
 この原作は、1962年からマーヴルで発表されているシリー
ズで、大金持ちの発明家トニー・スタークが、自ら開発した
ハイテクのアーマーを装着し、国際的なテロリスト集団との
闘いを繰り広げるというもの。何だか今の国際情勢を見越し
て作られたような物語だ。
 そして今回の映画化では、当初はワーナー製作の人気テレ
ビシリーズ“Smallville”などを手掛けているアルフレッド
・ゴーフとマイルズ・ミラーのコンビが脚色に起用されてい
たが、その契約を解消してハイターとの契約が結ばれたもの
だ。因にハイターは、上記の他に『スコーピオンキング』の
脚本も手掛けており、この手の作品の脚本はお手のものとい
うところだろう。
 なお、ニューラインのマーヴル作品映画化では、先にウィ
ズリー・スナイプス主演の『ブレイド』シリーズが発表され
ているが、その第3作となる“Blade: Trinity”は12月10日
の全米公開が決定したようだ。
        *         *
 最後にちょっと面白い話題で、2001年に製作され、翌年日
本でも公開されたジェイク・ギレンホール主演による超自然
ホラー映画“Donnie Darko”(ドニー・ダーコ)のディレク
ターズカットを再公開する計画が発表された。
 この作品は、リチャード・ケリーの脚本・監督によるもの
で、元々はインディーズの製作会社がギレンホールを主演に
迎え、総予算200万ドルで計画された。ところがこの脚本が
ジェイクの姉のマギー・ギレンホールの目に留まり、さらに
ドリュー・バリモアやパトリック・スウェイジらも参加、最
終的にはバリモアが製作総指揮を買って出て、340万ドルで
完成させたというものだ。
 そしてこの作品は、サンダンス映画祭でも好評を博したと
いう触れ込みだった。しかし僕自身、当時の試写で見た印象
は、ちょっとピンと来ない感じだった。実際アメリカのガイ
ドブックでも、全体的に話が中途半端などと書かれている。
もっとも今回参照したガイドブックでは上映時間が122分と
なっていたが、キネ旬の資料では113分となっており、日本
版はさらにカットされていた可能性はあったようだ。
 その作品のディレクターズカットが登場する訳だが、紹介
によるとこの新版では、オリジナルでカットされた21分が追
加され、さらにサウンドやF/Xも新たに作り直されたとい
うことだ。そしてこの新版は5月末のシアトル映画祭で上映
され、そこで好評なら全米公開も目指すとしている。
 実は、劇中で使われた音楽がその後ヒットしたとか、いろ
いろな要因はあるようだが。物語全体の雰囲気は良かった記
憶もあるので、出来れば日本でも新版の再上映を期待したい
ものだ。

05月01日(土)
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