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On the Production
by 井口健二
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■第59回
くれるのだろうか。主演と監督が戻っても、その辺がちょっ
と気がかりなところもある。
 因に、本作の公開は2005年の夏に予定されているが、この
夏のユニヴァーサル映画には、ドウェイン“ザ・ロック”ジ
ョンスン主演の“Spy Hunter”しか決まっておらず、ユニヴ
ァーサルとしてはぜひとも実現したい計画のようだ。
        *         *
 続いては企画復活の情報で、2002年9月15日の第23回で計
画延期を報告したダーレン・アロノフスキー監督のSF大作
“The Foutain”が、ヒュー・ジャックマンの主演で復活す
る可能性が出てきた。
 この計画は、アロノフスキーとアリ・ハンデルの脚本を映
画化するもので、物語は、現代を中心とした前後500年ずつ
の過去と未来を結ぶ不滅の愛を描くもの。そして凍結前の計
画では、ブラッド・ピットとケイト・ブランシェットの共演
が予定され、この2人が500年前のスペインの南米制服と、
現代と、500年後の宇宙船を背景に、ブランシェットはそれ
ぞれ違う人物、対するピットは同一の人物として登場すると
いうものだった。
 そしてこのときは7500万ドルの予算が組まれ、すでにオー
ストラリアに一部セットの建設も始まっていた。しかしブラ
ンシェットの妊娠などで計画が遅れ、結局ピットが“Troy”
への出演を決めた時点で製作会社のワーナーから延期が発表
されたものだ。
 その計画が復活する気配になったものだが、主演がピット
からジャックマンに変更になったことで、製作予算は一気に
3500〜4000万ドルになってしまったということ。しかもこの
計画では、前回の延期発表までに投入された1800万ドルが別
に負債として残っているということで、製作会社側としては
かなり厳しい条件に見舞われることになるようだ。
 従って、実現までにはまだ前途多難なようだが、アロノフ
スキーとしてはかなり気合いを入れた作品だっただけに、何
とか実現してもらいたいものだ。
 なお、アロノフスキーの計画では、前々回紹介した“Song
of Kali”が進められている他、日本の侍コミックスを実写
映画化する“Lone Wolf and Cub”(子連れ狼)の計画も進
んでいるようだ。
        *         *
 最後に続報で、3月30日からの撮影が予定されているハリ
ウッド版“The Ring 2”の監督に、急遽日本版『リング』を
手掛けた中田秀夫の起用が発表された。
 この続編の計画では、CF出身のノアン・モロという監督
の起用が予定されていたが、3月上旬に製作者のウォルター
・F・パークスとの間で創造上の意見の相違が発覚。降板が
表明されて、その後をオリジナルの監督が継ぐことになった
ものだ。因に中田監督は日本版の『リング2』も監督してい
るが、今回のハリウッド版はリメイク版“The Ring”の続編
ではあるものの、内容は日本版とは全く異なるそうだ。

03月15日(月)
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