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On the Production
by 井口健二
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■第53回
らなくなるというもの。                
 因にロスは、出発は監督だが、その後映画各社の社長を歴
任していたもので、コロムバスとはフォックス時代に『ホー
ム・アローン』で、アレンとはディズニー時代に『サンタ・
クローズ』で組んだ間柄。いつかまた一緒に仕事をしていた
いと思っていたそうだ。なおロス監督の近作には、01年製作
の『アメリカン・スウィートハート』がある。      
        *         *        
 ジョージ・クルーニーとスティーヴン・ソダーバーグが主
宰するワーナー傘下のプロダクション=セクション8から、
“Syriana”という作品を進めることが発表された。    
 この作品は、CIAの捜査官として20年間在籍したという
ロバート・ベアが発表した“See No Evil: The True Story
of a Foot Soldier in the CIA's War on Terrorism”とい
う実録本を映画化するもので、ワーナーとセクション8では
2年前にこの原作本の映画化権を契約していた。     
 そしてこの脚色を、『トラフィック』でオスカーを受賞し
たスティーヴン・ギャグハンが担当していたものだが、この
ほどそれが完成し、ギャグハンの監督で映画化を進めること
になったというものだ。また主演は、クルーニーが希望して
いるということだ。                  
 なお、クルーニーの計画では、ソダーバーグの監督による
“Ocean's Twelve”が年明けから撮影開始の予定だが、今回
の作品はそれに続けて撮影されるということだ。     
 因にギャグハンは、“Abandon”という作品で監督デビュ
ーを飾った他、ディズニー製作の大作西部劇“The Alamo”
の脚本にも参加している。               
        *         *        
 ダークキャッスル製作のゴシックホラー“Gothika”を担
当した脚本家セバスチャン・グティーレスが、1995年製作の
イギリス映画“Mute Witness”(ミュート・ウィットネス)
のリメイクを手掛けることになった。          
 この計画は、『17歳のカルテ』などのジェームズ・マンゴ
ールドが進めているもので、内容は、3人のアメリカ人がロ
シアを舞台にした映画を作ろうとし、その過程でロシアの裏
社会とつきあうことになるが、その中で口の聞けないメイク
アップアーチストが殺人事件を目撃してしまうというもの。
外国のしかもかなり危険な状態で事件に遭遇する恐怖を描い
た作品で、素晴らしい出来映えの作品ということだ。   
 しかしオリジナルは、マンゴールドに言わせると、「如何
にも低予算で作られたという作品で、もっと大がかりな作品
に作り直す価値がある」と判断したそうだ。       
 なお計画は、スパイグラスとマンゴールド主宰でソニー傘
下のツリー・ラインで行われるが、マンゴールドには次回作
が決まっており、本作の監督はしない予定だそうだ。   
        *         *        
 最後にちょっと残念なニュースで、 第30回と第36回でも
紹介したDCコミックス“Shazam !”の映画化で、第36回で
報告したウィリアム・ゴールドマンの脚色がまとまらず、デ
ィズニーで“Cheaper by the Dozen”のリメイクを手掛けた
ジョエル・コーエンとアレックス・ソコーロフに交代される
ことが発表された。
 因に、コーエンとソコーロフは、『トイ・ストーリー』の
脚本家としても知られており、コミックス系の作品には好適
と言えそうだ。ゴールドマンの脚本でなくなったことは残念
だが、これで早期の実現を期待したい。

12月15日(月)
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