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On the Production
by 井口健二
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■第15回+ローラーボール、パニックルーム
ーを追え!』や『13ウォリアーズ』で言葉フェチぶりを見せ
てくれた監督の面目躍如という感じで嬉しくなった。   
また、試合の途中で、ロックの音楽に合わせてプレーヤーが
1列になって滑るシーンは、実はゲームの元になっているロ
ーラーダービーのプレーぶりを髣髴とさせて、これも、監督
は判っているな、という感じを抱かせてくれたものだ。  
オリジナルの映画では、大型スクリーンでマルチ画面のテレ
ビ中継が未来のテレビの在り方を予言して注目されたが、す
でにそれが実現してしまった今回は、逆にシンプルなテレビ
画面でありながら、その裏でいろいろな手が加えられている
といった辺りで、テレビの現実が程よく描かれている。ゲー
ム以外にも、ど派手なアクションシーンがあったりして、気
軽に楽しむ分にはこんなもので良いのではないかという感じ
もした。                       
                           
<5月18日封切り>                  
『パニック・ルーム』“Panic Room”          
『セブン』『ファイト・クラブ』のデイヴィッド・フィンチ
ャー監督とジョディ・フォスターが組んだサスペンス作品。
マンハッタンに所在する古い邸宅。その邸宅には暴徒から家
人を守る退避室“パニック・ルーム”がしつらえられ、そこ
には、瞬時に開閉する重厚な扉や、邸内を監視するヴィデオ
システムが備えられていた。              
夫の浮気が原因で離婚した主人公は、その邸宅にティーンエ
イジャーの娘と引っ越してくる。ところがその当夜、3人の
男が邸宅に侵入してくる。男たちは邸宅を空き家だと思い込
み、前の持ち主が隠した遺産を盗みに来たのだったが…。気
付いた母子はパニックルームに退避。しかし、そこに備えら
れていた非常電話はまだ回線が接続されておらず、しかも娘
には定期的な注射を必要とする持病があった。      
フィンチャーの上に書いた2作は、かなり過激な描写が売り
だったが、オスカー女優を迎えた今回はそのような描写は多
少影を潜め、どちらかというとマイルドな仕上がりになって
いる。従ってフィンチャーのその手の描写を期待する向きに
は物足りないかも知れないが、僕は、正直に言ってその手の
描写には食傷気味だったので、かえって心地よく見られた。
試写会では、『ホームアローン』かという声も聞かれたが、
僕は『暗くなるまで待って』の方を思い出していた。女性の
強さが中心に描かれるし、上に書いたように過激な描写も少
ないので、特に女性の観客に見てもらいたい作品と言える。
巻頭のタイトルの出し方から、その後に続くCGIを駆使し
た連続撮影など、MTV出身のフィンチャーの映像感覚と遊
び心も存分に楽しめる作品になっていた。


05月15日(水)
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