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On the Production
by 井口健二
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■第11回+Versus、グラスハウス、友へ チング、ドメスティック・フィアー
前にも書いたと思うが、僕は基本的にやくざものというのに
興味が無く、以前に東京国際映画祭の特集で紹介した『レイ
ン』にしても積極的な評価はしなかったし、昨年の秋に某映
画祭で上映された台湾の作品に対しては、周囲の評価は高い
ようだが、僕は全く評価していない。          
しかしこの作品については、特に台湾の作品との比較では、
主人公たちが決して頭が悪い訳ではなく、周囲の成り行きで
こうなってしまうことの必然性が、上手く描かれていたこと
は認めざるを得ない。                 
その意味では、特別なシチュエーションで描かれた青春映画
として評価することが出来るだろう。確かに脚本には2年を
費やしたというだけの緻密さがある。それに結末は予想以上
に厳しいもので、妙な感覚でやくざを賛美していないところ
も良い感じだった。                  
それにしても、76年といえば『スター・ウォーズ』の前年で
僕はもう社会人だったが、その僕がこの映画の風景に、もっ
と幼い頃のノスタルジーを感じるというのは、当時の日本と
韓国の文化の差がそれだけあったということなのだろうか。
今は完全に追い付かれてしまったようだが。       
なお原題はハングルだが、映画の中で上記の漢字を当てるこ
とが紹介されていた。これで「チング」と発音するようだ。
                           
<4月6日封切り>                  
『ドメスティック・フィアー』“Domestic Disturbance” 
ジョン・トラヴォルタ主演のサスペンス・スリラー。   
12歳の息子ダニーを妻の元に残して離婚したフランク。元妻
は2年前に町に現れた資産家のリックと再婚するが、息子は
再婚相手に懐かない。そして町に現れた謎の男が失踪し、息
子は義父が彼を殺すところを目撃したと主張する。しかし義
父との確執で問題児になっていた息子の、今や町の名士とな
ったリックに対する嫌疑を誰も信用はしない。唯一人、実父
のフランクを除いては…。               
最近は見事な活躍のトラヴォルタだが、この作品には、ブラ
イアン・デ・パルマと組んだ初期の佳作『ミッドナイト・ク
ロス』の頃を思い出させた。自分の耳だけを信じて謎を解い
た20年前と、息子の証言だけを信じて犯罪を暴く今回の演技
に、その姿がダブったのだ。              
上映時間1時間29分は1本立ての大作ではないと思うが、こ
の作品にトラヴォルタ、ヴィンス・ヴォーン(義父)、ステ
ィーヴ・ブシェーミ(謎の男)の配役はすごい。     


03月15日(金)
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