ID:47635
On the Production
by 井口健二
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■第9回+ロード・オブ・ザ・リング、自殺サークル、シッピング・ニュース
に続くラッセ・ハルストレム監督の最新作。原作はE・アニ
ー・プルーの『港湾ニュース』。            
厳格な父親に虐げられた海辺の故郷を捨てて都会に出た主人
公は、やがて結婚に破れ、幼い娘と共にニューファンドラン
ド島の祖先の暮らした村にやってくる。そこで地元新聞に職
を得て、港に出入りする船を記録するシッピング・ニュース
欄を担当することになるのだが…。人々との交流と厳しい自
然の中で、彼は自分自身を再生させて行く。       
それにしてもこれだけ手の込んだ文芸大作を、毎年作り上げ
るこの監督の集中力には物凄いものを感じる。特に今回の舞
台は、厳しい自然が対峙するニューファンドランド。その自
然を見事に表現しながらの演出は、さすがにスウェーデン出
身で、祖先はヴァイキングかも知れないという監督の独壇場
と言えそうだ。                    
雪の閉ざされた岬が、一晩の雨によって雪が消えてしまう変
化の鮮やかさや、吹雪の中、凍結した海の上を大きな屋敷を
曳いて進む人々の姿など、心に残る映像が次々に現れる。そ
んな素晴らしい映像と共に、ユーモアに溢れた素敵なドラマ
が展開するのだ。                   
そして結末がまた素晴らしいのだが、ネタばれになるのでこ
こまでにしておこう。                 
一昨年の作品の主人公は、外から来て重荷を背負わされてし
まう若者。昨年の作品の主人公は、どこからともなく現れて
人々の生活を変えてしまう女性。そして今回の作品の主人公
は、ついに自分の居所を見つけてしまう男性という訳で、何
となくハリウッドでの監督の立場をなぞっているようなとこ
ろも面白い。                     
                           
 この他、                      
2月23日封切りの『うつくしい人生』は第1回、     
 『ヘドウィッグ・アンド・アングリーインチ』は第4回。
3月2日封切りの『ぼくの神様』は第3回、       
        『モンスターズ・インク』、      
        『アメリカンスィートハート』、    
        『タイムリセット』は第6回。     
3月9日封切りの『ヒューマンネイチュア』は東京国際映画
祭の特集。                      
3月16日封切りの『寵愛』は第2回。          
3月30日封切りの『羊のうた』は東京国際映画祭の特集  
にそれぞれ紹介があります。              

02月15日(金)
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