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On the Production
by 井口健二
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■第4回+スパイ・キッズ、恋ごころ、スパイ・ゲーム、息子の部屋、アザーズ、マルティナの海、ヘドウイッグ
じていた。
映画はこの題材を、完全に時系列で描き切っており、その構
成に上手さにも感心した。途中回想シーンはあるが、それも
時系列の中の回想であることに注目してもらいたい。
『アザーズ』“The Others”
98年東京グランプリを獲得した『オープン・ユア・アイズ』
のアレハンドロ・アメナーバル監督の最新作。
受賞作は、トム・クルーズ主演で“Vanilla Sky”としてハ
リウッドリメイクされているが、この作品はそのクルーズの
製作総指揮で、撮影当時妻だったニコール・キッドマンの主
演で作られている。
物語は、1945年、チャンネル諸島の島に建つ館を舞台に、第
2次世界大戦の欧州戦線に出征した夫の帰りを待つ妻と、光
アレルギーのために暗闇の中に暮らす幼い姉弟を巡って進め
られる。
その館の使用人が急に居なくなり、代わりに3人の男女が現
れる。その頃から館に謎の侵入者が現れ始め、最初幼い姉に
だけ見えていた少年の姿が、やがて館中に出没するようにな
る。そしてついには…。
ぞくぞくする恐怖感が久しぶりに心地よく、結末もいろいろ
言う人はいるだろうけど救いが感じられて、僕は気に入って
いる。
『マルティナは海』“Son de Mar”
スペイン語で書かれた小説が対象の「アルファグアラ賞」を
99年度に受賞したマヌエル・ビセントの小説の映画化。
主人公は、下宿屋を営む夫婦の一人娘。そこに下宿人の新任
の教師が現れ、2人は恋をし子供を身籠もって結婚する。そ
してある日、夫は小船で海に出て無人の船だけが浜に打ち上
げられる。
やがて主人公は、教師と出合う前から想いを寄せられていた
資産家と再婚し、子もその資産家を慕い平穏な生活が続いて
いる。しかしそこに男が戻ってくる。男は2人が出合った頃
の官能の物語を囁き、女はその官能に引き寄せられて行く。
情熱的なスペインならではの物語というところだろうが、そ
の心情は日本人でも判らないことはない。初々しい少女から
官能に溺れる女までを見事に演じた主演のレオノル・ワトリ
ングの今後にも注目したい。
『ヘドウィッグ・アンド・アングリーインチ』
“Hedwig and the Angryinch”
オフブロードウェイで2年半以上のロングランを記録したロ
ックミュージカルが、演出主演を舞台そのままに映画化され
た。
主人公は東ベルリンに生まれ、アメリカ軍の軍曹に見初めら
れて結婚によってアメリカへ脱出するために性転換手術を受
ける。しかし手術は失敗、股間には1インチの痕跡が残って
しまう。だから結成したバンドの名前が、「アングリーイン
チ」。イッチじゃないというのは台詞にも出てくる。
基本的にオカマというのが余り好きではなくて、最近増えて
きたオカマ映画は見ていなかったのだが、この作品はオリジ
ナルの舞台の評判と、東京国際映画祭での招待上映を見逃し
たこともあって見に行った。
で感想は、テーマはオカマではなくて、自分の失った片割れ
を求める主人公の流浪の物語という感じで、オリジナルのロ
ックミュージックも心地良く、納得の行く作品だった。
12月01日(土)
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