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On the Production
by 井口健二
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■潜行一千里 ILHA FORMOSA、無明の橋、少女はアンデスの星を見た、もしも脳梗塞になったなら、安楽死特区、もういちどみつめる
写を観て投稿するものです。
『もういちどみつめる』
2019年2月10日付題名紹介『新宿タイガー』などの佐藤慶紀
監督が、2019年5月12日付題名紹介『よこがお』などの筒井
真理子を主演に招いて現代に生きることの難しさを描いた作
品。
筒井が演じるのは山間のキャンプ場を1人で営む女性。その
女性の許に1人の若者がやってくる。彼は主人公の甥で、母
親の連絡先を知りたいと訪ねてきたものだ。しかし彼女は口
籠り、何か事情がありそうだ。
そんな若者は財布を盗まれたので金を貸して欲しいと言い出
すが、その発言にも怪しさがある。そして彼女を手助けする
近所の男性が若者を諫めるような発言をし、険悪になりそう
なところを彼女はアルバイトをして欲しいと提案する。
こうしてキャンプ場の仕事を始めた若者だったが、主人公の
大学生の息子が友達を連れて現れた辺りから不穏な展開が起
き始める。
共演は2006年生まれで2021年の映画に主役デビュー、2024年
李相日監督のAppleTV+ドラマには主要キャストとして出演し
たという燗c万作。他ににしやま由きひろ、徳永智加来、中
澤実子、吉開湧気、リコ、内田周作、川添野愛らが脇を固め
ている。
監督は2022年の少年法の改正で、18、19歳への厳罰化が進ん
だことの危惧からこの物語に至ったとしているが、確かにそ
の年代の精神的に不安定な状況が作品の骨子になっているの
だろう。
それは大人になり切れない若者の苦難とも言えるが、同時に
大人であっても人付き合いの困難な女性の姿も描いて、精神
的なマイノリティの全般に亙って物語を描いているようにも
感じる。これも重大な問題提起の作品だ。
考えてみれば『新宿タイガー』もそんな感じの作品だったか
な。実は監督のドラマ作品は初めての鑑賞だったが、これは
監督にとっての永遠のテーマなのかもしれない。そんなこと
も考えてしまった。
公開は11月22日より、東京地区は新宿K's cinema他にて全国
順次ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社渋谷プロダクションの招待で試
写を観て投稿するものです。
10月26日(日)
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