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On the Production
by 井口健二
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■終点のあの子、みんな、おしゃべり!、ボディビルダー、ベ・ラ・ミ 気になるあなた
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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『終点のあの子』
2024年10月紹介『私にふさわしいホテル』などの柚木麻子が
2010年に刊行したデビュー作の連作短編集を、2014年5月紹
介『女の穴』などの吉田浩太脚本・監督で映画化した作品。
主人公は小田急沿線で中高一貫の女子高に通う生徒。彼女は
中等部から通う内部生だが、彼女のクラスに高校から入学の
生徒が入ってくる。その外部生は父親が著名なカメラマンで
海外生活も長く経験しているようだ。
そんな外部生が主人公に声を掛けてくる。そして言葉を交わ
すようになった2人は、互いに学校への不満なども話し合う
ようになるが…。それが他の生徒との確執を生むようにもな
ってくる。
そんな状況に主人公は悩みを持つが、外部生の彼女は気にも
掛けていないようだ。そして下北沢のホームで、通学のため
には鈍行に乗るべきところを2人は急行に乗車する。その列
車は終点の片瀬江ノ島駅に向かって出発するが。
出演は2025年8月紹介『ストロベリームーン』も記憶に新し
い當真あみと、2019年3月3日付題名紹介『WE ARE LITTLE
ZOMBIES』などの中島セナ。他に平澤宏々路、南琴奈、新原
泰佑。さらに小西桜子、野村麻純、今森茉耶、陣野小和。そ
して深川麻衣、石田ひかりらが脇を固めている。
眩いばかりの女子高生の学園生活というところかな。原作は
4編からなる連作のようだが、映画化は第1作を重点に行わ
れており、それは2008年にオール讀物新人賞を受賞した作品
でもあるようだ。
そんな初心な物語は、高校生活なんて半世紀以上も前になっ
てしまった男性の身には夢のまた夢のようなものだが、それ
でも大人になったから判る心の琴線のようなものには見事に
触れて来てくれたものだ。
そんな面映ゆいような物語が展開されており、多分若い人に
は直に響くのだろうが、年を経た身にも心地よくその風景が
感じられた。男女の違いもあるし時代も違うけれど、青春は
不変不滅のようだ。
ただ、原作が20年近くも前の作品ということで、背景となる
小田急線下北沢駅の風情は随分と違ってしまった。ダイヤな
どは物語と一致しないところも多々あるけれど、そんなこと
は無視して物語に浸りたい作品だ。
公開は2026年1月23日より、東京地区はテアトル新宿他にて
全国ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社グラスゴー15の招待で試写を観
て投稿するものです。

『みんな、おしゃべり!』
2020年2月紹介『なんのちゃんの第二次世界大戦』などの河
合健脚本・監督で、障碍者と外国人との共生について描いた
コメディ作品。
登場するのは聾唖者だが電気店を営む男性とその一家。母親
は死別し息子は聾唖だが、娘は健常で一家の手話通訳もして
いる。そして男性は家電の修理などではかなり腕の立つ技術
の持ち主のようだ。
そんな一家の電気店に近くで飲食店を開業する予定のクルド
人男性がやってきた日、ちょっとした誤解から諍いが始まっ
てしまう。それは町興しの名目でマイノリティの支援を目指
す行政も巻き込んでトラブルになって行く。
出演は2024年8月紹介『BISHU 世界でいちばん優しい服』な
どの長澤樹と、世界初ろうプロレス団体「闘聾門JAPAN」の
設立者で演技初挑戦の毛塚和義。他にろう役者の那須英彰、
今井彰人。
さらに2025年2月紹介『花まんま』などの板橋駿谷、2023年
5月紹介『Gメン』などの小野花梨。そしてトルコ出身で日
本で俳優として活動しているMurat Çiçek、ユードゥルム・
フラットらが脇を固めている。

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10月19日(日)
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