ID:47635
On the Production
by 井口健二
[459565hit]

■あめだま、ノーバディズ・ヒーロー、ファレル・ウィリアムス、サスカッチ・サンセット、太陽の運命、ハッピー☆エンド
理解していたつもりだったが、こうも単純な裏切りの上に成
立しているとは思わなかった。
それにしても現代戦において日本の国土防衛に沖縄の基地は
ほとんど意味がないものであって、にも拘らず沖縄の米軍基
地に自民党がここまで固執するのにはそれなりの利権がある
のかな? その辺ことは本作を観ても判らないままだった。
まあ判っても意味はないのだろうけど。
公開は3月22日より那覇市桜坂劇場で先行上映の後、東京地
区は4月19日から渋谷ユーロスペース他にて全国順次ロード
ショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社インターフィルムの招待で試写
を観て投稿するものです。

『ハッピー☆エンド』
群馬県前橋市で緩和ケア・萬田診療所を営む萬田緑平医師を
通じて、末期がん患者などの緩和ケアの実際を描いたドキュ
メンタリー。
末期がんの治療に関しては胃婁や抗がん剤治療など診療報酬
の確保を目的とした人間性を疑うような医療が行われて、僕
自身は延命治療の拒否は行うつもりだが、世間的にはそうは
いかない実情もあるのかもしれない。
そんな中で治療か死かの二者択一と思われる医療に第3の道
を示してくれるのが本作で紹介される緩和ケアだ。それは医
療用の麻薬などを用いて患部に伴う痛みなどを緩和し、それ
によって穏やかに死期を迎えるまでを過ごすというもの。
それはもちろん病気を治す訳ではないから、これを治療とい
うには抵抗があるのかもしれないが、人が人としての尊厳を
保ったまま最期を迎えるには理に適った方法と思える。しか
しそこには様々な抵抗もあるようだ。
その抵抗の1番目は緩和ケアに使用される医療用の麻薬とい
うことだが、それは多分医療用のモルヒネだがそれはかなり
以前から手術後などに使用されていたもの。それが今更抵抗
の要素になっているとは思わなかった。
でもまあモルヒネという言葉にも抵抗があるのなら、ヒロポ
ンがいつの間にか覚醒剤になったように呼び名を変えればい
いような気もするもので、そんなところにも訳の分からない
抵抗組織がいるのだろうな。
そんな医療に関する不自然な抵抗は、COVID-19ワクチンへの
アンチな言論からも身に染みて理解しているところだ。そん
な抵抗にもめげずに緩和ケアを勧める医師の姿が描かれてい
る。
とは言っても本作が主にレンズを向けているのは医師よりも
患者の方で、そこには緩和ケアによって満足の行く生涯を終
えられた患者たちの姿が描かれる。そしてそこに緩和ケアを
実践した樹木希林さんの言葉も添えられる。
正直に言って本作の全体の流れは緩和ケアのCMのような趣
もあるが、緩和ケアという選択肢を周知させるためにも本作
の価値はあるようにも思えた。自分も後期高齢者になって、
こういう情報を知れたことには感謝したい気持ちだ。
監督は、以前には学校給食の問題を描いてきたというオオタ
ヴィン。ナレーションに佐藤浩市と室井滋。エンディングに
ウルフルズの『笑えればV』をフィーチャーした作品だ。
公開は4月18日より、東京地区はシネスイッチ銀座、アップ
リンク吉祥寺他にて全国順次ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給する新日本映画社の招待で試写を観
て投稿するものです。

02月16日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る