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On the Production
by 井口健二
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■小説の神様、ミセス・ノイズィ(トキワ荘、島にて、海辺の映画館、恋する男、ジャズ喫茶、ルース・エドガー、朝が来る、タゴールS、追龍)
(東京外国語大学でヒンディ語とベンガル文学を専攻した女
性監督が初めて挑んだ映像作品。凡そ1世紀前の1861年から
1941年まで80年の生涯を送ったインドの詩人の業績を追った
ドキュメンタリー。その足跡を辿ってインドのコルカタやバ
ングラディシュのダッカにも取材し、戦前の日本を訪れたこ
ともある詩人の思いを検証する。物凄く気持ちの籠った作品
であることは理解する。しかしこの作品では詩人本人の人物
像が見えてこない。監督には自明のことなので省いてしまっ
たのかも知れないが、まず本作ではそれを知らしめることが
重要なのではないかな。僕はノーベル文学賞を西欧人以外で
初めて受賞したとか、インドとバングラディシュ両国の国歌
を作ったこと以外の詩人の生い立ちや、生涯などをもっと知
りたかった。そういった点で不満に感じる作品だった。公開
は4月18日より、東京はポレポレ東中野他で全国順次ロード
ショウ。)

『追龍』“追龙”
(前回題名紹介『イップ・マン完結』などのドニー・イェン
と、2018年6月24日題名紹介『SHOCK WAVE 爆弾処理班』な
どのアンディ・ラウ共同製作・初共演で、1970年代の香港を
舞台に黒社会と警察の癒着を描いた実話に基づく作品。ラウ
が扮するのは彼自身が1991年の映画『リー・ロック伝』でも
演じた香港警察の捜査主任。イェンが演じるのは満州からの
不法移民ながら黒社会でのし上がった麻薬王。そんな2人が
結託し、絶対権力を握るイギリス人警司の眼を掠めて巨大な
富を築いて行く。それはもちろん不正ではあるが、見方を変
えれば絶対権力への反抗を描いた作品とも言える。それらが
2人の友情や信頼と共に描かれて行く。脚本・監督・製作は
1993年『シティハンター』(北条司原作)などのバリー・ウォ
ン。公開は6月26日より、東京は新宿武蔵野館他で全国順次
ロードショウ。なお本作は2017年の作品で、2019年には同じ
く実話に基づく『追龙U』も本国で公開されたようだ。)
を観たが、全部は紹介できなかった。申し訳ない。

03月15日(日)
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