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On the Production
by 井口健二
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■SKIN、ワンダーウォール(精神0、はちどり、色男ホ、イップ・マン4、アドリフト、水上のF、吉開菜央、心霊喫茶、HOKUSAI、窮鼠はチーズ)
ト3D』などのバルタザール・コルマウクル。映画は難破後
のシーンに回想で2人の楽しかった日々が挿入され、さらに
壮絶な嵐のVFXなど観客を引っ張る巧みな構成になってい
る。衝撃の結末まで、これは見事な作品だ。公開は4月10日
より、東京は新宿バルト9他で全国ロードショウ。)

『水上のフライト』
(陸上でオリンピック出場を嘱望されながらも事故で競技を
断念したアスリートが、別の競技でパラ五輪を目指すように
なる実話にインスパイアされた作品。同旨の作品では2009年
1月紹介『パラレル』や2018年6月紹介『私の人生なのに』
などもあるが、アスリートが障碍者になるという現実は正に
究極のドラマと言える。特に前者は完全に実話に基づくもの
でかなりの重みもあった。それに比べて本作では肝心のとこ
ろがフィクションな訳で、その辺が少し気にはなったかな。
でもまあパラ五輪の年の映画ということでは話題性には事欠
かないことにはなりそうだ。出演は2017年9月3日題名紹介
『覆面系ノイズ』でも共演の中条あやみと杉野遥亮。他に大
塚寧々、小澤征悦らが脇を固めている。企画、脚本は2016年
5月29日題名紹介『超高速!参勤交代』などの土橋章宏。監
督は2016年12月11日題名紹介『キセキあの日のソビト』など
の兼重淳。公開は6月12日より、全国ロードショウ。)

『吉開菜央特集:Dancing Films 情動をおどる』
(振付師/ダンサー/映像作家である女性監督による2019年
カンヌ国際映画祭監督週間の短編部門への出品作を含む6作
品が特集上映される。その出品作の『Grand Bouquet』は、
元はNTTのイヴェント会場用に制作されたものの、2018年
の上映では一部が黒塗りされるなど規制を受けたものだそう
だ。その作品が今回は完全版で公開される。内容は黒い異様
な塊に対峙する若い女性の姿を描いており、それらが何を意
味するかは解釈次第だが、15分の映像はカラフルでホラー調
の表現も面白かった。他に果実の梨を巡る2人の女性を描い
た『梨君たまこと牙のゆくえ』が「京都国際映画祭2018」他
で一般上映もされているが、それ以外は実験的要素の強い作
品だ。でもそれぞれが映像や音響など様々な志向を持つ作品
ばかりで、いろいろな可能性も感じられた。公開は4月11日
〜17日に東京は渋谷ユーロスペースにて、いずれもカンヌ出
品作を含む3作品と4作品の2プログラムで上映される。)

『心霊喫茶「エクストラ」の秘密 The Real Exorcist』
(2019年9月15日題名紹介『世界から希望が消えたなら』に
続く幸福の科学出版製作、大川隆法原案、製作総指揮、大川
咲也加脚本による作品。本作では2020年モナコ国際映画祭で
エンジェル・トロフィー賞(最優秀作品賞)を含む4冠を受賞
した。主人公は街角の喫茶店で働くアルバイトの女性。実は
彼女には霊能力があり、来店する客の様々な問題を解決して
いる。その問題は学校のトイレに隠れた過去に亡くなった生
徒の霊や、急死した病院長の霊など多岐に渉っていたが…。
出演は千眼美子。他に伊良子未來、希島凛、日向丈、長谷川
奈央。さらに大浦龍宇一、芦川よしみ、折井あゆみらが脇を
固めている。監督は以前の作品ではプロデューサーや出演者
でもあった小田正鏡が担当した。物語にあまり破綻は見られ
ず、作中には製作総指揮者の著作がいろいろと引用されて、
その思想を広める目的では充分と言える作品だ。公開は5月
15日より、全国ロードショウ。)

『HOKUSAI』
(2010年3月紹介『瞬』の原作者河原れんの企画、脚本で、
江戸末期の浮世絵師の生涯を描いた作品。河原は2015年『百
日紅』にも描かれた絵師の娘お栄の役で出演もしている。葛
飾北齋に関する映画では、1981年『北斎漫画』もあったが、
全生涯を描こうとした点では認められるかな。でも江戸幕府
による取り締まりや、後半では柳亭種彦を配して反骨の人の
ように描くのは正しいのかな。それならもっとシーボルト事
件なども絡めても良かったと思うが、その辺が少し中途半端

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03月08日(日)
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