ID:47635
On the Production
by 井口健二
[459656hit]

■CURED、シラノ(僕は猟師になった、HARAJUKU、#ハンド全力、大海原のソングライン、未成年、暗数殺人、ANNA、わたしはダフネ、マルモイ)
表れない実際の数との差という意味だそうで、行方不明で処
理された中から推理力で被害者を探し出す地道な捜査が描か
れる。脚本と監督は助監督出身、長編2作目の本作で青龍賞
脚本賞を受賞したキム・テギュン。公開は4月3日より、東
京はシネマート新宿他で全国ロードショウ。)

『ANNAアナ』“Anna”
(リュック・ベッソン脚本、監督で、2014年8月紹介『LUCY
/ルーシー』以来のガールズアクションに再挑戦した作品。
背景は冷戦末期の1990年代。モスクワの露店でマトリョーシ
カ人形を売っていた女性がモデルにスカウトされる。そして
パリのエージェントに所属した彼女は瞬く内にトップモデル
になって行くが…。闇の武器商人が暗殺され、彼女の存在が
KGB、CIAを巻き込む国際スパイ戦に発展する。出演はロシア
出身のスーパーモデルでベッソンの前作『ヴァレリアン』に
ちょい役で出ていたというサッシャ・ルス。本作では1年間
に及ぶ格闘技の訓練の上で華麗なアクションに挑んでいる。
そして彼女の脇をヘレン・ミレン、ルーク・エヴァンス、キ
リアン・マーフィらが固めている。ルスが魅せる5分で40人
斬りのアクションも壮絶だが、モスクワ「赤の広場」でのカ
ーチェイスなど、見どころが満載の作品だ。公開は5月8日
より、東京はTOHOシネマズ日比谷他で全国ロードショウ。)

『わたしはダフネ』“Dafne”
(母親の死後に残された父親とダウン症の娘の絆を描いたド
ラマ作品。主人公は老齢だがしっかりした両親の許で穏やか
に暮らしていた。ところが母親が突然死。葬儀も済ませた娘
は職場に復帰して元の生活に戻るが、最愛の妻を失った父親
の落胆は大きく、あらぬ行動をとり始める。その姿に何もで
きない娘だったが…。そんな中で娘は母親の故郷まで歩いて
行こうと提案する。それは簡単な旅ではなかったが、山野を
2人で歩く内に互いの心が触れ合って行く。出演はダウン症
ながら執筆活動で成功を収めているというカロリーナ・ラス
パンティ。両親を舞台俳優で1976年『1900年』に出ていたと
いうアントニオ・ピオヴァネッリと、1977年『サスペリア』
でサラ役のステファニア・カッシーニが演じている。同様の
配役では2019年10月6日題名紹介『だれもが愛しいチャンピ
オン』もあったが、どちらも素敵な作品だ。公開は6月6日
より、東京は岩波ホール他で全国順次ロードショウ。)

『マルモイ ことばあつめ』“말모이”
(1940年代、日本統治下の韓国ソウルで、自国語を守るため
に生命を賭して辞書作りと標準語の選定を進めた朝鮮人言語
学者を描いた史実に基づく作品。日本人には随分と耳の痛い
話だが、この映画に描かれた民族同化運動は現実のもので、
朝鮮語の使用を禁じたり、姓名を日本式に改めるなど正に文
化的なジェノサイドが行われた。そんな中での物語だ。とは
言うものの最後に登場する分厚い辞書の原稿が鞄一つに収ま
るはずはなく、実際には何処かの倉庫にでも隠されていたの
だろうが、映画は象徴的に描くもの。その辺は史実に基づく
フィクションということだ。出演は2018年7月紹介『1987』
などのユ・ヘジンと、2008年8月紹介『6年目も恋愛中』な
どのユン・ゲサン。2018年3月11日題名紹介『タクシー運転
手』などの脚本家オム・ユナが、自作の脚本で監督デビュー
を果たした作品だ。公開は5月22日より、東京はシネマート
新宿他で全国順次ロードショウ。)
を観たが、全部は紹介できなかった。申し訳ない。

03月01日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る