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On the Production
by 井口健二
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■シャザム!(柄本家のゴドー、鷺娘、旅の終わり、小さな恋、兄消え、ばあばは、主戦場、あの日々の話、武蔵、スケート・K、誰もがそれを)
会話自体が普通で、そこに機知に富んだと言えるようなもの
がない。勿論一般の会話ならそれでも良いし、生の舞台なら
それなりの共感みたいなものも生まれるのかもしれないが、
いざ映画となったら何か捻りの効いたというか、観客が引き
込まれるような仕掛けが欲しくなる。撮影用に特殊なセット
を組んだり、装置の仕掛けはあったようだが、それが生きて
いないのが残念かな。舞台のパッケージ化ならそのままを撮
影したものが観てみたい。公開は4月27日より、東京は渋谷
ユーロスペース他で全国順次ロードショウ。)

『武蔵−むさし−』
(2013年9月紹介『蠢動』の三上康雄監督が、1977年、78年
の2部作で描いた宮本武蔵に再び挑戦した作品。幼い頃から
父親に鍛えられた武蔵は21歳で京に上り、一条寺下がり松で
の吉岡家との死闘に勝利するなど剣豪の名を挙げて行く。し
かし剣は人を殺すだけのものかと自問を繰り返す。その一方
で武蔵の命を狙うものは絶えず、それに勝利し続けるも周囲
の者たちが巻き込まれてしまう。そんな物語が幕藩政治の情
勢など共に描かれ、そして遂に佐々木小次郎との決戦の時が
訪れる。主演は2018年12月紹介『ジャンクション29』などの
細田善彦。その脇を松平健、目黒祐樹、水野真紀、若林豪、
中原丈雄、清水紘治、原田龍二、遠藤久美子、武智健二、半
田健人、木之元亮らが固めている。脚本も手掛けた三上監督
は史実を詳細に調べたというが、その物語は外連もなく寧ろ
明快で、剣豪の生涯が巧みに描かれていた。公開は5月25日
より、東京は有楽町スバル座他で全国ロードショウ。)

『スケート・キッチン』“The Skate Kitchen”
(ニューヨークに実在する女性スケートチームのメムバーが
主演も務める青春映画。主人公は郊外に住むスケボー少女。
しかし滑走中に負った怪我で母親から禁止を言い渡される。
ところがネットでチームの存在を知った彼女は、母親に内緒
で出掛けてしまう。そして彼女の行動が母親に知れてしまう
が…。ドキュメンタリー出身のクリスタル・モーゼル監督が
ファッションブランド「Miu Miu」による映像プロジェクト
の1本として製作した短編作品“That One Day”を長編化し
たもので、スケボーに熱中しながらも恋や友情など現代っ子
の姿が描かれる。因にエピソードの多くは彼女らの実話に基
づくそうだ。出演はチームのメムバーの他に、2013年『アフ
ター・アース』などのジェイデン・スミス、2013年7月紹介
『サイド・エフェクト』などのエリザベス・ロドリゲスらが
脇を固めている。公開は5月10日より、東京は渋谷シネクイ
ント他でロードショウ。)

『誰もがそれを知っている』“Todos lo saben”
(2017年4月30日題名紹介『セールスマン』などのイランの
名匠アスガー・ファルハディ監督が、ペネロペ・クルスとハ
ビエル・バルデムの夫妻を主演に招いて、全編をスペイン語
且つ撮影もスペインで行った作品。アルゼンチンで家族と共
に暮らしていた女性が、妹の結婚式に出席のため2人の子供
を連れて故郷に帰ってくる。そこには幼馴染のワイン農園主
などもいたが…。結婚式の会場から主人公の娘が姿を消し、
状況から誘拐と判断される。しかし警察には通報せず、事件
解決のために各自が奔走する中で、長年隠されていた家族の
秘密が徐々に暴露されて行く。脚本も監督が執筆したもので
ジャンルはミステリーだが、内容は複雑で奥深い物語が展開
される。それにしても犯人の目的がかなり根深くて、うっか
り見逃すと訳が判らなくなりそうだ。公開は6月1日より、
東京はヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamura ル・シ
ネマ他で全国順次ロードショウ。)
を観たが、全部は紹介できなかった。申し訳ない。

03月31日(日)
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