ID:47635
On the Production
by 井口健二
[459728hit]
■ヒューマンフロー(アリー、アメリカン、セルジオ&、MOST、キックス、マシュー・B、TAXi、愛と銃弾、まぼろしの、それだけが、この道)
パルチザンよってイギリス軍に伝えられるが、内容が不鮮明
で、フランス語の判る伝書鳩兵が確認に派遣される。ところ
が住民も避難した街には精神病院から出てきた患者たちが思
い思いの生活を始めており、そこに来た主人公は「ハートの
王様」として敬われることになってしまう。そして時限爆弾
の期限は刻々と迫ってくるが…。出演はアラン・ベイツと、
ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド。戦争の愚かしさを極限まで
描き切ったような作品だ。なお今回の再上映はフランスでの
オリジナル版だそうで、以前の日本公開版とは少し異なるそ
うだが、50年前の記憶は定かでなかった。公開は10月27日よ
り、東京は新宿K's cinema他で全国順次ロードショウ。)
『それだけが、僕の世界』“그것만이 내 세상”
(イ・ビョンホンと、2013年11月紹介『FLU』などのパク
・ジョンミン、それに2012年2月紹介『青い塩』などのユン
・ヨジョンの共演で、元ボクサーの兄とサヴァン症候群でピ
アノに天分を持つ弟、その母親を描いたヒューマンドラマ。
主人公は元東洋チャンピオンにまで登り詰めたが、素行の問
題などでタイトルを剥奪され、40歳を過ぎて寝泊まりしてい
たジムも追い出される。そんな彼が街で母親に再会し、生家
に帰ってくる。そこは母親と弟の2人暮らしだったが、弟の
世話に掛り切りの母親の姿は、17年前に彼が家を出る原因で
もあった。それでも暮らし始めた主人公は徐々に弟の素晴ら
しさに気付くが…。物語は有り勝ちかなとも思えるが、映画
はピアノ演奏をクライマックスに据えて実に巧みに作られて
いる。しかもそこで演奏される曲が僕らでも判るようなクラ
シックの名曲で、その盛り上がりも見事に描かれる。素晴ら
しい作品だ。公開は12月28日より、全国ロードショウ。)
『この道』
(1918年『赤い鳥』創刊から100年を記念して製作された日
本童謡のルーツとされる北原白秋と山田耕筰との交流を描く
作品。物語は天才詩人とされるも姦通罪で逮捕されるなどの
北原と、ドイツで音楽を学び日本音楽に新風を呼び込もうと
する山田の確執や友情。そこに戦争へと向かう当時の世相な
どが描かれる。出演は大森南朋とEXILEのAKIRA。他に貫地谷
しほり、羽田美智子、松重豊、柳沢慎吾、松本若菜、小島藤
子、津田寛治、升毅、由紀さおり、安田祥子らが脇を固めて
いる。監督は2017年4月16日題名紹介『八重子のハミング』
などの佐々部清。映画では大正14年のラジオ放送開始の様子
なども描かれ、ここでのラジオ塔の登場はマニア的には嬉し
かったが、実際の設置は昭和5年からなのでちょっと勇み足
かな。後半の出征兵士のシーンでは正しいものだが。公開は
2019年1月11日より、東京はTOHOシネマズ日比谷他で全国ロ
ードショウ。)
を観たが、全部は紹介できなかった。申し訳ない。
先週は風邪を引き、インフルエンザではなかったが、1週間
試写会に行けなかった。幸い月曜日が休日だったりしたので
見逃した本数は少なかったが、2本ほど最終試写に行けない
作品も出てしまった。
以前は風邪を引いても2、3日で復帰できたものだが、しか
も今年は春先と2回目で、さすがにこれは寄る年波というと
ころかな。
今後は出来るだけ気を付けますのでよろしくお願いします。
10月21日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る