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On the Production
by 井口健二
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■single mom、ボクはボク(ピアソラ、おかえり、アラン・デュカス、ハナレイ、ぼけますから、選挙に出たい、Journey、ヨーロッパ横断)
背景があって、実は彼の父親は政治家だったが文化大革命当
時に罪を着せられて失脚。そんな思いが彼を選挙に駆り立て
たようだ。ところが政党のアドヴァイスで国籍を取得し、立
候補はしたものの公認は得られず、さらに地盤割り当てで街
頭演説の場所も制限されてしまう。そんな理不尽に曝されな
がらも選挙戦は続けて行くが…。内容は日本の選挙の裏側が
垣間見えて、予想以上に面白かった。公開は12月1日より、
東京はポレポレ東中野他で全国順次ロードショウ。)

『アジア三面鏡・Journey』
(2016年11月5日付「東京国際映画祭」で紹介した映画祭が
独自に製作する映画の第2弾。今回は中国のデグナー、日本
からは『ハナレイ・ベイ』の松永大司、それにインドネシア
のエドウィンが参加してそれぞれ30分程度の3作品が制作さ
れた。多分副題がテーマを示しているのだろうが、1本目で
は母と娘がある目的で車旅をする。2本目はヤンゴンを走る
環状線の高速化のためやって来た日本人技術者の話。3本目
ではある目的で日本を訪れた倦怠期の夫婦の話が描かれる。
それぞれ旅に関る話ではあるが一貫性はなく、独立した作品
だ。その中で僕は2本目の松永監督作品が一番好きかな。鉄
道が描かれているのも良かったし、地元の人との交流や物語
自体にもしっかりとした社会的なテーマが感じられた。公開
は11月9日より、東京は新宿ピカデリー他で全国順次ロード
ショウ。なお、それに先立って第1弾『リフレクションズ』
も10月12日より同劇場で公開される。)

『ヨーロッパ横断特急』“Trans-Europ-Express”
(1961年公開、アラン・レネ監督『去年マリエンバードで』
の脚本などで知られ、2008年に亡くなったフランスの小説家
で映画監督でもあったアラン・ロブ=グリエが、1966年に自
身の監督第2作として発表した作品。パリ―アントワープ間
の高速列車に乗り込んだ監督が映画の構想を練るという設定
の許、その構想に登場する麻薬の運び屋の物語が並行して展
開される。出演は、2013年1月紹介『愛、アムール』などの
ジャン=ルイ・トランティニャン。彼は同年『男と女』にも
主演している。物語は監督の構想によって左右され、しかも
それらが交錯するという、正にメタフィクションと呼べるも
のになっており、ヨーロピアン・アヴァンギャルドの最重要
作品とも呼ばれているそうだ。でも話は判り易くて面白い。
公開は11月下旬より、東京は渋谷シアター・イメージフォー
ラム他にて全国順次に開催される監督の回顧上映6作品の内
の1本として、日本では劇場初公開となる。)
を観たが、全部は紹介できなかった。申し訳ない。

09月30日(日)
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