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On the Production
by 井口健二
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■ルイスと不思議(生きてる、Merry Christmas、宇宙の法、モダンライフ、ポルトの、MAKI、アンナ、シシリアン、第三世代、暁に祈れ)
(前回紹介『13回の新月のある年に』と共に日本初公開され
るライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督による1979年
の作品。映画が製作された1970年代末を背景に、過激派テロ
組織の活動が、実は企業家の手でコントロールされていたと
いう、当時としては先見的だったのかなと思える物語が展開
される。これを1970年代前半に起きた連合赤軍事件の余韻が
冷めやらぬ頃に観たら、いろいろ考えるところもあったかと
思える作品だ。とは言え、近年のアメリカやヨーロッパでの
イスラム系テロの状況を見ると、ファスビンダーもそこまで
は読み切れなかったかとも考えてしまうところで、監督には
もう少し長く生きて、この状況を見て欲しかったという感じ
もした。個人的には前回紹介作の方が、登場人物の痛みが理
解できる感じで好ましかったが、本作も時代を知る上では重
要と言えるものだ。公開は10月27日より、東京は渋谷ユーロ
スペース他で全国順次ロードショウ。)
『暁に祈れ』“A Prayer Before Dawn”
(2009年3月紹介『ジョニー・マッド・ドッグ』のジャン=
ステファーヌ・ソヴェール監督が、麻薬所持の罪で地獄と呼
ばれたタイの刑務所に3年間収監され、過酷な環境をムエタ
イの技を磨くことで生き抜いたイギリス人青年を描いた実話
に基づく作品。主人公はボクサーだったが、麻薬の常習で母
国を追われタイに流れ着く。そしてそこでも麻薬に溺れ、遂
に警察に捕われ刑務所送りとなる。そこは全身刺青の男たち
がすし詰めで雑魚寝する劣悪な場所。しかも言葉も判らず、
所内のルールも学べない彼には正に生き地獄だった。ところ
が元々ボクサーの彼は所内のムエタイのチームに加わり、頭
角を現して行く…。と書くと単純な成功物語に聞こえるが、
映画はその過程を、現地での撮影などリアル且つシビアに描
き込んだものだ。出演は2018年2月4日題名紹介『きみへの
距離、1万キロ』などのジョー・コール。公開は12月8日よ
り、東京はシネマート新宿他で全国順次ロードショウ。)
を観たが、全部は紹介できなかった。申し訳ない。
09月23日(日)
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