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On the Production
by 井口健二
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■イカリエ−XB1(私は絶対、聖なる、名もなき、いつだって、ミスミソウ、ブラックP、ロンドン、29歳、大和、熊野、フェリーニ、友罪)
じもした。公開は4月7日より、東京は新宿K's cinema他で
全国順次ロードショウ。)
『熊野から イントゥ・ザ新宮』
(2011年8月紹介『海と自転車と天橋立』の田中千世子監督
が2014年から撮り続けている『熊野から』3部作の最終章。
内容は、旅行ライターが熊野地方を旅しながら地元の人々と
交流するセミ・ドキュメンタリーだが、その中で第1作から
少しずつ語られていた幸徳秋水=大逆事件が、本作ではほぼ
メインとして描かれる。それは現在では、社会主義の台頭を
恐れた明治政府のでっち上げであることが定説になっている
ものだが、その定説自体があまり知られていない事実を踏ま
えて、秋水らの復権活動を行っている人々の姿が描かれる。
勿論それと同時に地元の風物なども描かれるが、その辺のバ
ランスが2011年作などは少し違和感だったが、本作ではその
ようなこともなく、巧みに両方が織り込まれていた。公開は
5月下旬より、東京は渋谷のシアター・イメージフォーラム
にてモーニングロードショウ。)
『フェリーニに恋して』“In Search of Fellini”
(イタリアの名匠フェデリコ・フェリーニの世界に魅了され
たアメリカ人の少女が、フェリーニを探してイタリアに旅す
る様子を描いたドラマ作品。主人公は母親に守られて20歳に
なるまで世間を知らずに育った少女。しかしその母親が末期
がんと判り、自立を目指して一歩を踏み出した彼女がふと迷
い込んだのは、名監督の作品上映会だった。そしてその世界
に憧れた少女は監督に会うためイタリアに行くことを決意す
るが…。辿り着いたイタリアは、フェリーニ作品以上に摩訶
不思議な世界だった。酒場で知り合う自称映画監督の名前が
グイドだったり、様々なフェリーニ作品へのオマージュが観
られる。監督は南アフリカ出身のタロン・レクストン、主演
はテレビドラマ『ロスト・ガール』などのクセニア・ソロ。
公開は3月17日より、東京はYEBISU GARDEN CINEMA他にて全
国順次ロードショウ。)
『友罪』
(1997年に起きた酒鬼薔薇聖斗事件、その後を追った少年A
の週刊誌報道に基づく薬丸岳の同名小説を、2017年10月15日
題名紹介『最低!』などの瀬々敬久脚本、監督で実写映画化
した作品。非情なジャーナリストの世界に嫌気が差して退職
した主人公は町工場に試験採用され、一緒に採用された無口
な若者と徐々に信頼関係を築いて行く。しかしその若者は少
年Aだった。そして主人公にはジャーナリストの魂が再燃す
るが…、その前途にはさらに非情な世界が待ち受けていた。
出演は生田斗真と瑛太。佐藤浩市、夏帆、山本美月、富田靖
子らが脇を固めている。少年A自体は手記を出版するなどそ
の反省のなさが僕には不愉快だったものだが、本作ではその
点には触れないものの、それを煽るジャーナリズムの体質の
ようなものが追及されるなど、それなりに納得のできる作品
になっていた。公開は5月25日より、全国ロードショウ。)
を観たが、全部は紹介できなかった。申し訳ない。
02月25日(日)
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