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On the Production
by 井口健二
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■ポッピンQ、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』来日記者会見、中島みゆきConcert「一会」
(現代最高の女方と呼ばれる坂東玉三郎が、女方の最高峰と
される演目に挑む様子を描いたドキュメンタリー。「シネマ
歌舞伎」であるから舞台の映像が中心ではあるが、現在では
玉三郎にしか演じられないとされるその演目の舞台裏が、本
人のナレーションによってつぶさに描かれた作品にもなって
いる。物語は平家が源氏に敗れての後、平景清探索の詮議の
場に武将の恋人阿古屋が引き出される。そこでの「琴責め」
と呼ばれる琴・三味線・胡弓の演奏がクライマックスとなる
ものだ。玉三郎はこの舞台のため、幼い頃から楽器のけいこ
に励んできたということだが、今の時代にそれを若手に望む
ことは難しい。その芸を後世に引き継ぐ模索が続いている。
公開は1月7日より、東京は東劇他で全国ロードショウ。)
『キセキ あの日のソビト』
(顔出しNGということでも有名な音楽グループGReeeeNの
誕生までを描いたドラマ作品。このグループの歌には個人的
にちょっとした思い出があって、僕は普段は音楽を聞かない
人間だが、この作品にはそれなりの親近感が湧いた。まあお
話としては有り勝ちなものだが、彼らの音楽が好きな人には
多分そのイメージは壊していないし、観ていて心地良い作品
だ。出演は松坂桃李、菅田将暉。さらに横浜流星、成田凌、
杉野遙亮がメムバーを演じて彼らはカヴァーCDも出すよう
だ。他に忽那汐里、平祐奈、麻生祐未、小林薫らが脇を固め
ている。監督は、2009年3月紹介『腐女子彼女。』などの兼
重淳。音楽プロデュースを本人たちも手掛けるJINが担当し
ている。公開は1月28日より、全国ロードショウ。)
『ゴンドラ』
(1987年に単館上映されて話題を呼んだ作品が30年ぶりに再
公開される。実は以前に観たかどうかが不明で、試写中に何
度かデジャヴに陥るシーンはあったが、それが本作の記憶な
のか他の作品がパクったシーンかも判別できない。しかしい
くつかの鮮烈なシーンと、全体のトーンの調和が心地よく、
またテーマ的にも現代に通じるもののある佳作だった。新宿
西口の都庁舎の敷地が更地だったり、公衆電話が日本電信電
話公社だったり、懐かしさも満喫できる作品だ。主演は後の
作品歴のない2人だが、その脇に木内みどり、出門英、佐々
木すみ江、佐藤英夫ら。原案脚本監督は後にピンク映画で活
躍する伊藤智生。公開は1月28日より、渋谷ユーロスペース
にて35oフィルムでの限定レイトショウ。)
『BASTILLE DAY(原題)』“The Take”
(本年度のフランス映画祭で上映された作品が一般公開にな
る。主人公はアメリカ人のスリ。そんな彼が置き引きしたの
は爆弾仕込みの縫い包みが入ったカバン。しかしそれに気付
かず放棄した途端に爆発が起こる。その場面が監視カメラに
残り彼はパリ警察に追われるが…、その様子を見たCIAの
窓際捜査官が違和感を抱き、彼の特技を利用してテロ組織に
挑もうとする。出演は、2016年9月紹介『スター・トレック
BEYOND』などのイドリス・エルバと、2015年『シンデレラ』
などのリチャード・マッデン、それに2016年1月紹介『ザ・
ウォーク』などのシャルロット・ルボン。監督は2012年9月
紹介『ウーマン・イン・ブラック亡霊の館』のジェームズ・
ワトキンス。公開は3月4日より全国順次ロードショウ。)
『スノーデン』“Snowden”
(2016年3月に紹介したドキュメンタリー『シチズンフォー
スノーデンの暴露』を、2009年4月紹介『ブッシュ』などの
オリヴァ・ストーン監督がドラマ化した作品。作品は春前に
完成していたが、大統領選挙への影響を考慮して公開が遅ら
されたそうだ。事件の内容的にはドキュメンタリーと同じだ
が、本作ではそこに至るスノーデン本人の背景なども描かれ
ている。ただこの監督ならアメリカ政権内の動きなども掘り
下げるかと思ったが、その辺を多少手控えているのは選挙と
の兼ね合いもあったのかもしれない。出演は2016年1月紹介
『ザ・ウォーク』などのジョセフ=ゴードン・レヴェット、
2012年1月紹介『ファミリー・ツリー』などのシャリーン・
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12月11日(日)
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