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On the Production
by 井口健二
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■ダ・ヴィンチ・デーモン、ミトン+こねこのミーシャ、御手洗薫の愛と死、小さいおうち、ノー・ヴォイス
な縁が再び彼を仔犬に引き合わせ、その縁で彼は捨てられた
ペットの保護団体で働き始めるが…
昨年紹介の作品と同じで、仔犬が可愛ければそれだけで成立
してしまうような作品だが、その描いている現実はかなり厳
しいものだ。そんな厳しい物語を、本作では主人公の呆れた
行状などを緩衝材にして柔らかく描いている。
その描き方は甘すぎると考える向きもあろうと思うが、そこ
で監督はドラマの物語の後にドキュメンタリーを付けること
で問題点を浮き彫りにする。このドラマとドキュメンタリー
の2本立ては、映画界初と称されているものだ。
出演は、2001年テレビ『ウルトラマンコスモス』や、2009年
7月紹介『TAJOMARU』にも出ていたという市瀬秀和、2006年
『呪怨〜パンデミック〜』や舞台『銀河英雄伝説』などに出
ている樋口夢祈。イケメン2人の共演という作品だ。
脚本と監督は、今までに手掛けた短編作品で世界の20以上の
映画祭で受賞を果たしているという古新舜。なお脚本は「ド
ッグ・シェルター」などの著作のある児童文学者・今西乃子
の監修によっている。
また併映のドキュメンタリーのナレーションは、最近テレビ
のペット番組などにコメンテーターとして活躍の浅田美代子
が担当している。
なお本作はすでに単館公開が終了しているものだが、その前
には試写が行われず、今回は年末からの再公開を控えて特別
上映会で観せて貰った。その際には監督とのQ&Aも行われ
たが、ドラマの撮影は5日間で行われたとのこと。その割に
は出演した仔犬の名演に感心したものだ。
また監督の発言では、「飼い主に捨てられたペットの問題は
犬だけでなく、実際に保健所で処分される数は、猫の方が犬
の3倍近くある」とのことで、次回は猫をテーマにした作品
を考えているそうだ。
猫の問題は、野良猫への餌やりなど描くべき内容は多岐に亙
るから、その次回作にも期待したいものだ
再公開は12月21日から、東京はオーディトリアム渋谷にて、
その後は全国順次ロードショウとなる。また各地の映画祭や
映画館以外での上映ツアーも計画されているようだ。
12月01日(日)
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