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On the Production
by 井口健二
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■パーシー・ジャクソン/魔の海、REDリターンズ、りんごのうかの少女、死霊館、Tightrope−アウトサイダーという生き方−、落秋
が、ドラマティックとも言える映像で綴られていた。それに
は正直に感動すら覚えたものだ。
因に前田日明は「THE OUTSIDER」旗揚げの記者会見で、「こ
こで“あしたのジョー”を見つける」と宣言したそうだが、
確かにいろいろなものを背負った選手たちの姿には名作マン
ガを思い出させるものもあった。
しかも作品では複数の選手たちを追ったもので、それは単独
の選手を追うより変化に富んだ内容になっている。そこには
いろいろな意味でのマイノリティの姿も描かれており、それ
らの社会的な側面も描かれた作品になっていた。
撮影は、NIKON D800とSONY NEX-FS700を併用して行われてお
り、解像度はNIKON、動きはSONYで収録されている。その映
像のクリアさも注目したいところだ。
監督は、1995年にテレビCMから派生した長編作品『四姉妹
物語』などを手掛けた本田昌広。出演は、前田日明の他に、
11人の選手たちとその家族。また選手たちに寄り添うような
ナレーションを吉川晃司が担当していた。
『落秋』
試写会で年間500本以上観るようになると、いろいろな状況
の作品に出逢うもので、今回の作品は2011年には完成してい
たようだが、未だに配給も決まっていないというもの。従っ
て一般の人が観る機会は少なそうだが、そんな作品の試写を
観せて貰えたので、紹介だけしておくことにする。
主人公は、元はカメラマンだったらしい男性。しかしある事
情からスランプに陥り、未だにそこから立ち直れていない。
そんな彼には同棲中の恋人もいたが、過去を吹っ切れないま
ま彼女との結婚にも踏み切れない状態だ。
そんな彼が飲み屋で1人の女性と出会う。その女性は既婚だ
が、夫との関係が上手くいっていないという。それは夫が勝
手に転勤を承諾したもので、遠隔地に行くことになるらしい
その転勤が彼女には承服できなかった。
そんな2人が行きずりで出会い。互の状況を探り合いながら
付き合いを続けてゆく。しかしその2人の関係には、ある事
実が隠されていた。
まだ配給が決まっていないということで、試写会にはプレス
資料なども用意されておらず。上記の物語もうろ覚えで書き
起こしたものだ。ただまあ上映時間は1時間20分程の作品な
ので、物語的にはこの程度のものだったと思う。
それでスタッフ・キャストなどの情報も手元になかったのだ
が、後日監督から礼状としてアドカードが届いた。それによ
ると、監督は西本信也、出演者は桑原麻紀、岸田研二、秋山
実希となっている。そこでこれらの名前を検索した。
まず監督の西本信也は、2001年の『BACKSTAGE』という作品
で予告編を担当しており、その他にも検索で監督作とされる
名称は挙がってくるが、実際の作品の情報はチェックできな
かった。
一方、出演者の内、女優の2人は過去の作品が挙がってきた
が、男優は映画は初出演のようだ。ただいずれにしても映画
はインディペンデンスの作品が中心の俳優のようだった。
という監督、出演者による作品だが、監督の演出はそつなく
映像も美しくて、観ていて悪い感じはしなかった。因に現在
YouTubeに本作の予告編がアップされているが、それに観ら
れる雰囲気がそのまま本編になっている。
また俳優たちの演技も悪くはなくて、観ていてすんなり気分
に浸れる作品だった。
ただし物語の展開は、こんなことで主人公は騙されてしまう
のかとも思ってしまうし、また映像で三軒茶屋の近辺と確認
できたものが、その直後に屋形船の行き交う川の鉄橋を歩い
ているのはいかがなものか。
確かに場面としてここに鉄橋が欲しかったのは判るが、東京
に住んでいる人間としてはやはり違和感がある。それは例え
ば『ワイルド・スピード3』では、新宿大ガードを抜けると
渋谷駅前交差点なんて迷シーンもあったが…。何かもう少し
工夫が欲しかった感じがしたところだ。
でもまあ映画の全体は悪い感じはしなかったし、何とか一般
公開の道が開けることを祈りたい。
* *
とりあえず、昨年と同じ週報でしばらくやってみます。
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09月15日(日)
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