ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460048hit]

■オース!バタヤン、スタンリーのお弁当箱、ジャックと天空の巨人、インポッシブル、容疑者X、DRAGON BALL Z、隣人、旅歌ダイアリー
監督賞も受賞している女性監督が、木目の細かい演出で登場
人物の感情の起伏を描き込んでいる。
日本映画を先に観ていたので、トリックも何もかも知った上
での作品鑑賞だったが、中心人物が替えられたことで新鮮な
感じで観ることができた。しかも推理などに煩わされること
もなく、純粋に物語を鑑賞することもできた。
そこには日本映画とは違った味わいもあり、正に両作を観る
ことで一層楽しめる作品になっていたとも言えそうだ。

『DRAGON BALL Z 神と神』
原作は1984年に連載開始。1986年スタートのテレビシリーズ
は11年間の平均視聴率が20%を超え、その映画版も17作が制
作されていずれも大ヒットしたという伝説的作品。その新作
が1996年公開の前作から17年ぶりに制作された。
しかも今回は、今までのアニメ化には一切ノータッチだった
という原作者の鳥山明が、初めてオリジナルのストーリーと
新キャラクターのデザインも手掛けたものだ。
物語は、魔人ブウとの戦いから数年後。地球は再び危機を迎
えようとしていた。宇宙のバランスを保つための破壊を司る
神ビルスが長い眠りから目覚め、その破壊の矛先を地球に向
けたのだ。
しかしビルスには別の目的もあった。それは夢の中で戦った
戦士と実際に戦うこと。その戦士はスーパーサイヤ人を名告
っているというのだが…。そしてビルスがやってきた地球で
は、折しもブルマの誕生パーティが開かれていた。
そのパーティには過去に悟空と戦った戦士たちが招待され、
さらにピラフとシュウとマイも、会場にあるはずのドラゴン
ボールを狙って密かに潜入していた。そんなパーティの会場
に破壊神ビルスが現れる。
物語は、ほとんどこのパーティー・シーンで進められるが、
ここでは過去のキャラクターがほぼ勢揃いで、これは長年の
ファンには観ているだけでワクワクするものになっていた。
しかもファンには衝撃の設定も明かされる。
声優は、悟空・悟飯・悟天役の野沢雅子、ブルマ役の鶴ひろ
み、クリリン役の田中真弓、ピッコロ役の古川登志夫、ヤム
チャ役の古谷徹など往年のメムバーが再結集し、さらに新キ
ャラクターは山寺宏一が演じている。
まあ、お話はフリーザ、セル、魔人ブウを超える強力な敵の
出現ということで、正直には僕も『ドラゴンボールGT』の
頃には見飽きた感もあった展開の繰り返しだが、17年ぶりと
もなればそれもまた良しという感じで、それに加わる懐かし
いキャラクターの勢揃いが楽しめたものだ。
さらにエンドロールには、これもファンには最高のプレゼン
トと思える仕掛けがあって、これも楽しめるものになってい
た。東映アニメーションでは、本作をrebootと位置づけてい
るようで、今後も楽しめることを期待したい。
なお公開は、日本映画では初めてとなるIMAX上映も行われる
とのことで、悟空と破壊神ビルスとの壮絶な戦いが、最大の
スクリーンで堪能できるようだ。

『隣人ネクストドア』“Naboer”
『チャイルドコール呼声』“Babycall”
1997年に『ジャンク・メール』という作品で東京国際映画祭
のシルバー賞を受賞しているノルウェーの映画作家ポール・
シュレットアウネ脚本・監督による2006年と2011年の作品が
連続して紹介される。
1本目は、恋人と別れたばかりでまだ未練の残る男性を主人
公が、ある日、アパートの隣部屋の女性に部屋の重い家具を
動かしてくれと頼まれ、案内された部屋で女性の妹と遭遇す
る。そしてその妹にはある性癖があって…
物語は、かなり際どいというか、多少やばいとも言える描写
が連続し、主人公の堕ちてゆく姿が描写される。そしてその
落ちていった先に待っていたものは、かなり鮮烈な結末が描
かれていた。
出演は、本作でノルウェーのアカデミー賞であるアマンダ賞
の主演男優賞を受賞したクリストファー・ヨーネル。因に本
作はノルウェーで17年ぶりとなるR-18指定で公開されたそう
だ。
そして2本目の主人公は、幼い男の子と共に夫の暴力を逃れ
てきた女性。彼女は保護司の斡旋でとあるアパートに入居す

[5]続きを読む

03月20日(水)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る