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On the Production
by 井口健二
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■サバイビング・P、カレ・ブラン、探偵ヨンゴン、ノー・ワン・リヴズ、ジャーニー、タイガー、アニメミライ2013、オズはじまりの戦い
の存在など、まさに奇跡とも言えるものだ。
なお映画のエンディングロールで、出演者の欄にFeaturing
として、先にニール・ショーン、ジョナサン・ケイン、ロス
・ヴァロリー、ディーン・カストロノヴォのメムバー4人が
1枚で出る。
そして字幕を変えて、Introducingとしてアーネル・ピネダ
の名前が登場する。そんな小細工も嬉しく感じられる作品だ
った。

『タイガー・伝説のスパイ』“एक था टाइगर”
「ボリウッド4」と題されて連続公開されるインド最新映画
の第1弾。2012年のインド映画でNo.1ヒットを記録し、歴代
でも2位に輝いているという作品。
物語の背景は印パ戦争。1999年ムシャラフ前パキスタン大統
領の就任によって表向きは協調路線が取られるようになった
印パ関係だが、インドの情報分析局RAWと、パキスタン軍
情報機関ISIの間では水面下の激しい戦いが続いていた。
そんな中で主人公はタイガーのニックネームを持つRAWの
伝説的諜報員。今回もイラクに単身赴き、ISIに寝返った
諜報員を鮮やかな手口で始末したタイガーには、休む暇もな
く次の任務が与えられる。
ところがその任務はアイルランドにいる大学教授の身辺調査
という地味なもの。実はインド出身のその教授にはミサイル
技術の流出の疑惑が持たれていたのだ。そこでタイガーは、
ジャーナリストに成り済まし教授に近付こうとする。
ところが人付き合いの悪い教授はなかなかタイガーの話に乗
ってこない。その勝手の違いに戸惑ったタイガーは、まずは
教授の住まいに出入りする若いインド系の女性に接近して、
教授との仲介を頼む作戦に出るが…
と、ここまでですでにイラク、アイルランドなどの国名が出
ているが、この後の展開でもトルコ、キューバとまさに世界
を股にかけたタイガーの活躍が描かれて行く。しかもそれは
印パ関係も微妙に絡んだものになる。
主演は、1999年の秀作『ミモラ心のままに』などのサマール
・カーンと、カーンとは一時浮名を流したこともあるという
カトリーナ・カイフ。インド本国では2人の共演ということ
でも話題になったそうだ。
脚本と監督は、ドキュメンタリーの出身でこれまでの作品は
社会派ドラマが中心だったというカビール・カーン。本作は
監督が今までと違う娯楽大作に挑戦したもので、その結果は
No.1ヒットに繋がったものだ。
007のようなド派手なアクションというものではないが、
格闘技のシーンなどはそれなりに撮られていたし、インド映
画特有の歌と踊りも特には違和感を感じなかった。その辺の
バランスも巧みということだったのだろう。

『アニメミライ2013』
文化庁が日本の若手アニメーターを育成する目的で、2010年
に開始した国策事業によって4本のアニメーション作品が制
作され、3月2日から一般公開される。その完成披露試写会
が行われた。
作品は、事前審査に各アニメーション制作会社から応募され
た企画の中から4作品が選定され、そこに国家予算が投入さ
れて制作されたというもの。そこには様々な条件も付けられ
ているが、試写会での挨拶などを聞くとアニメーターの育成
には効果があるようだ。
しかしその技術的な部分に関しては僕は評価できないので、
以下は各作品の紹介をさせてもらう。
『龍-RYO-』
2009年10月紹介『アフロサムライ』などのゴンゾの制作で、
幕末期の蝦夷を舞台にした作品。歴史ものなので事実関係は
いろいろあるが、物語では剣戟アクションなどが描かれてい
た。しかし僕には、それ以上のことはよく判らなかった。
『アルヴ・レズル』
有限会社ZEXCSの制作で、電脳リンクが完成された未来世界
を舞台にした作品。しかしリンクの不具合で大勢の意識が失
われる事態が生じる。そしてそこから復帰した人格は…。電
脳ものとしては練りもあって面白かったが、作品はシリーズ
の開幕編という感じもした。
『リトルウィッチアカデミア』
2011年に設立された株式会社トリガーによる初のオリジナル

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02月28日(木)
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