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On the Production
by 井口健二
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■GHOST RIDER 2、人生ブラボー!、ハードウェア・ウォーズ、名無しの十字架、ひまわり、牙狼2、アルマジロ、よりよき人生+Oscar/VFX
そしてその世界で鋼牙は、「大いなる力」アジャリの命を受
けて「嘆きの牙」というアイテムを探すことになるのだが。
そこはヒトによって作り出され、そして忘れられたモノが暮
らす世界。しかもその世界に辿り着いたとき鋼牙は、己が武
器である牙狼剣、魔法衣、魔導輪を失っていた。
しかし鋼牙は、森で助けたモノと自称する少女メルや、鋼牙
がカカシと名付けた男。さらに弓の名手キリヤらと共に探索
を続けて行く。その一方でその世界を支配する女王ジュダム
は、自らがコレクションする美しいモノの一つに鋼牙を加え
ようとしていた。
さらにその世界には、近々魔竜が降臨するとされ、ジュダム
はその魔竜と一体となって人間界に進出することを企んでい
た。
出演は、小西遼生、影山ヒロノブ(声の出演)のレギュラー
に加えて、松坂慶子、今年5月紹介『スープ』に出ていた蒼
あんな、2010年11月紹介『ギャングスタ』に出ていた久保田
悠来。
他に過去のシリーズに登場の藤田玲、山本匠馬、中村織央。
さらにお笑い芸人で声優の柳原哲也、前作にも出演の螢雪次
朗、渡辺裕之らが登場する。
原作・脚本・監督は雨宮慶太。異世界の映像はかなり幻想的
だし、その中で繰り広げられるアクションも、これはまさに
雨宮節という感じの作品だ。
お話的には近年よくあるクエストものだが、その中で語られ
るヒトとモノとの関係などには、ちょっと面白い思想も感じ
られた。ただ個人的には、今までの現世を背景にした作品を
もっと観てみたい感じもするが、本作もそんな現世の問題を
ある意味反映している作品であることは確かだろう。
また次回作も期待したい監督だ。
『アルマジロ』“Armadillo”
アフガニスタン戦争に国際平和活動(PSO)の名目で派遣さ
れているデンマーク軍。その最前線アルマジロ基地の兵士を
追ったドキュメンタリー。映像の一部は兵士自身にカメラを
持たせて撮影したという作品。
アルマジロ基地にはNATOによる国際治安支援部隊の一つとし
てイギリス軍とデンマーク軍が駐留している。その基地の主
な任務はタリバンを敵とする偵察活動。しかし都会から最前
線基地に派遣された若い兵士たちは徐々に戦争中毒に陥って
行く。
そして突然タリバンからの発砲が起き、反撃した兵士たちは
それを撃退するが、それは彼らを極度の興奮状態に陥れる。
その戦果を興奮して語り合う兵士たち。しかしそこには落と
し穴も待ち構えていた。それは正に2010年2月紹介『ハート
・ロッカー』の冒頭で述べられたような中毒状態だ。
監督は、1974年デンマーク生まれのヤヌス・メッツ。2008年
デンマークで暮らすタイ人女性とデンマーク人男性の国際結
婚を描いた作品でコペンハーゲン国際ドキュメンタリー映画
祭の最優秀短編賞を受賞し、本作でカンヌ国際映画祭批評家
週間グランプリに輝いた。
デンマークでは18歳から32歳までの男子に徴兵制が敷かれ、
その兵役期間は4ヶ月。しかし4ヶ月経過後に希望者は期間
の延長が可能だそうだ。だたし良心的兵役拒否も認められて
おり、代替役務が制度化されている。
そして兵員数は2万5000人、予備役1万2000人、郷土防衛軍
5万1000人の計8万8000人が総兵力とされている。その中か
らコソボに380人、アフガンに700人などが派遣され、兵員数
は少ないものの、その兵士の質の高さなどで国際社会からは
高く評価されているとのことだ。
デンマーク軍のアフガン派遣に関しては2007年9月紹介スサ
ンネ・ビア監督の『ある愛の風景』でも描かれていた。それ
は母国で待つ家族を襲う悲劇を描いていたが、本作は戦場が
舞台のもの。そして本作もまた声高に反戦を訴えるものでは
ないが、その恐ろしさは際立たせて描かれているものだ。
リアルな戦闘の迫力が見事に描かれた作品であると同時に、
そこに忍び寄る狂気も見事に描かれた作品。結末のテロップ
がその狂気の奥深さも見事に描いていた。それにしても、こ
れがドキュメンタリーとは…。あまりにドラマティックな展
開も驚かされるものだ。
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12月02日(日)
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