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On the Production
by 井口健二
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■ファイヤー・ウィズ…、ヒンデンブルグ、テッド、SUSHI GIRL、VANISHING POINT、さまよう獣、ディラン・ドック、ナンバーテン・ブルース
の鳴る音が聞こえてくる。そこで老婆は、その田舎道には不
似合いな服装の女性に握り飯を差し出すが…
やがて田園の停留所に止まったバスから降りる老婆のあとを
追って女性もバスを降りる。そしてそのまま老婆の家までつ
いて行った女性は、何となくその家に住むことになる。その
家には毎晩1人の若者が訪ねてきて夕食を共にしていた。
さらにその家の周囲には、トマトのハウス栽培をしている若
者や酪農家の若者もいて、彼らは興味津々で女性を迎える。
しかし女性は頑なに自分のことは話そうとしない。しかも彼
女は若者ごとに接する態度も変えているようだ。
そんな女性の抱える秘密がやがて明かされ、それはある出来
事に繋がって行く。
出演は、2009年2月紹介『非女子図鑑』の1本に主演してい
る山崎真実、2011年7月紹介『一命』に出ていた波岡一喜、
2005年7月紹介『空中庭園』などの渋川清彦、それに舞台俳
優で本格的な映画出演は初めてという山岸門人。
さらに1929年生まれで2011年12月紹介『アフロ田中』などに
出ている森康子。他に田中要次、津田寛治らが脇を固めてい
る。
結末というか終盤の展開がかなり強烈なもので、それには少
し唖然とした。でも例えばお伽話で、王子様とお姫様はめで
たしめでたしでも、城の外では実はこんなことも起きている
のではないか。そんなことをふと考えてこの展開も納得して
しまった。
お話の全体には寓意みたいなものもあって、監督自身がプレ
ス資料に寄せたステートメントにもそんな思いが込められて
いる感じもした。そんな現代のメルヘンのような物語が展開
される。
『ディラン・ドック』“Dylan Dog: Dead of Night”
2006年7月紹介『スーパーマン・リターンズ』で鋼鉄の男を
演じたブランドン・ラウスと、同作でジミー・オルセン役の
サム・ハンティントンが再びコンビを組んだイタリア製ホラ
コメ・コミックスの映画化。
物語の舞台はニューオーリンズ。その郊外の邸宅のキッチン
に天井から血が滴り落ちてくる。そこで食事の準備中だった
女性が慌てて階段を駆け登ると、そこには彼女の父親の惨殺
死体が転がっていた。そして彼女は、得体の知れない巨大な
獣に襲われるが…
そんな事件は恐らく警察の手に余るもので、案の定、警察の
捜査はなかなか進まない。そして葬儀の場で神父から1枚の
名刺を渡された彼女は、その住所に住む私立探偵の許を訪ね
る。その探偵は、最初はその手の仕事は辞めたと取り合わな
いが、話が進む内に探偵の気持ちが動き始める。
原作はロンドンが舞台のようだが、古今東西のモンスターが
隠れ住む世界を背景に、人間とモンスターの間を取り持って
事件を解決する唯一無二の探偵の活躍が、1986年の第1巻か
らすでに280巻以上も描かれているそうだ。
そんな人気コミックスの映画化というものだが、原作がどう
なっているのか判らないが、映画では主人公の設定が今一つ
はっきりしない。それは主人公が人間かどうかに始まって、
いろいろな点で曖昧にされ、これは映画としていかがなもの
かという感じになった。
でもまあ、最近の観客はそのようなことはあまり気にしない
ようなので、それはそれで構わないというものなのだろう。
それに対して助手の方の設定は明確で、それによる笑いなど
は、納得できるように作られていたものだ。
共演は、9月紹介『ELEVATOR』にも出ていた2008年8月紹介
『センター・オブ・ジ・アース』などのアニタ・ブリエム。
他に2003年7月紹介『閉ざされた森』に出演のデイ・ディグ
ス、スピルバーグからフォン・トリアまで多彩な監督と仕事
をしているスウェーデン出身のピーター・ストーメアらが脇
を固めている。
脚本と監督は、2007年に“Teenage Mutant Ninja Turtles”
のrebootを大成功させたケヴィン・モンロー。因に監督の次
回作は、ジョージ・ルーカス製作によるミュージカル・アニ
メーションだそうだ。
『ナンバーテン・ブルース‐さらばサイゴン‐』
1974年12月から75年4月までのベトナム戦争最末期に、南ベ
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11月25日(日)
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