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On the Production
by 井口健二
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■カンフーようちえん、A・スパイダーマン、るろうに剣心、オロ、アニメ師、白雪姫と鏡の女王、Beyond the ONEDAY、スリーピング タイト
ドキュメンタリーも期待したくなった。

『白雪姫と鏡の女王』“Mirror Mirror”
2008年5月紹介『落下の王国』などのターセム・シン・ダン
ドワール監督によるグリム童話の再話による映画化。前々回
紹介の『スノーホワイト』に続く「グリム童話」発表200年
記念の作品。
物語は、白雪姫の継母である鏡の女王=魔女の語りで展開さ
れる。その話は白雪姫が如何にムカツク存在であるかや、王
室の財政を立て直すための考えなどだが…。そんな中、絶好
のタイミングで隣国の王子が現れる。
そこで王子との結婚を企む一方、目障りな白雪姫には人食い
がいると言われる森への追放が命じられる。こうして森に追
放された白雪姫は七人の小人と巡り会う。そして小人たちの
指導で戦いの訓練を受けた白雪姫は…
現時点ではどうしても『スノーホワイト』との比較をせざる
を得ないが、先の作品がVFXなども導入してど派手に来て
いるのに対しては、本作は比較的シンプル。しかしターセム
監督らしい外連もあってこれもまた楽しめた。
それに七人の小人の存在などは先の作品以上に毒がある感じ
だが、その一方で子供も楽しめるようなギャグもあるなど、
もしかすると本作の方がファミリー向きかとも思えるような
作品だった。
出演は、語り手でもある女王役に悪役は初めてというジュリ
ア・ロバーツ。白雪姫役にはミュージシャンのフィル・コリ
ンズの娘で、今年4月紹介『ミッシングID』などのリリー
・コリンズ。
他に、2011年12月紹介『J・エドガー』などのアーミー・ハ
マー、2006年3月紹介『プロデューサーズ』などのネイサン
・レーン、『LOTR』でボロミア役のショーン・ビーンら
が脇を固めている。
脚本は、メリッサ・ウォーラックの原案から2011年11月紹介
『マシンガン・プリーチャー』などのジェイスン・ケラーと
2007年7月紹介『プロヴァンスの贈り物』などのマーク・ク
ラインが担当した。
また音楽を,1995年『ポカホンタス』などでアカデミー賞4
回受賞のアラン・メンケンが担当し、衣裳デザインは1992年
『ドラキュラ』で受賞した石岡瑛子が担当。今年1月に亡く
なったデザイナーの映画では遺作になったようだ。

『Beyond the ONEDAY〜Story of 2PM & 2AM〜』
韓国発、2つの男声K-popグループ2PM & 2AMの主に日本での
活動を記録したドキュメンタリー。
popグループのドキュメンタリーでは、今年1月に「AKB48」
のものも紹介しているが、いずれもファン向けに作られたも
のであり、ファン以外の人間には何とも言えない作品という
ところだ。
ただ、「AKB48」の作品が震災などで社会的な側面を出して
いたのに対し、本作では彼らが日本人でないことを配慮した
のか、そのような側面を出せていなのは残念と言える。僕と
してはそういった面でもあれば評価もしやすかったと思える
が、それは仕方がない。
しかしその分、個々の彼ら自身に迫れていることはファンに
は最高のプレゼントだろう。それを共有できないのは僕の方
の問題だ。
とは言え、作中でナレーションが多用されているのは、これ
は彼らが日本人でないことによるコミュニケーション不足の
結果かと思えてしまうところで、この辺はファンにとっては
残念な感じにも写りそうだ。まあそこまでは感じないかも知
れないが。
なお監督の大道省一は、映画のmakingなどを多く手掛けてい
る人のようだが、彼はプレス資料の中では、1964年の『ビー
トルズがやって来る ヤア!ヤア!ヤア!』を引き合いに出
している。
しかしリチャード・レスター監督の作品が、俳優も起用した
フェイクドキュメンタリーであるのに対して、本作はもっと
真面目で真摯な作品だ。ただしその辺の監督の揺れが本作に
も少なからず影を落としているような感じもした。
正直にはその辺が中途半端な感じもしてしまうものだ。これ
は監督にとっては理想の作品ではないようにも感じてしまう
し、多分もっとやりたかったことはあるのだろう。監督には
再度その辺を期待したいものだ。

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06月17日(日)
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