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On the Production
by 井口健二
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■ユナイテッド、Green Days、ウォーキングデッド2、籠の中の乙女、アイアンガール、足立正生、スノーホワイト、アベンジャーズ+Mad Max
résolution - Masao Adachi”
6月21日〜24日に東京有楽町朝日ホールほかにて開催される
「フランス映画祭2012」での上映作品の1本。
日本の映画監督、脚本家であり、同時に日本赤軍に合流して
国際指名手配された革命の闘士でもある足立正生を描いたド
キュメンタリー作品。
足立は、1963年日大芸術学部の在籍中に制作した学生映画で
注目され、退学後の1966年に監督デビュー、同年には大島渚
監督の『新宿泥棒日記』の脚本にも参加。1971年に若松考二
監督らと共にパレスチナに渡る。
その後は日本赤軍に合流して岡本公三らと共に国際指名手配
され、1997年に逮捕抑留。その刑期を2000年に満了して日本
に強制送還され、日本では旅券法違反による罪で執行猶予付
きの判決が下された。
本作は、その足立の現在の姿や足跡などをフランス人監督が
纏めたものだが、作品の中では首都高速の霞ヶ関トンネルを
行くフロントの映像に、タルコフスキーの『惑星ソラリス』
と同じだという解説が入るなど、監督自身の1970年代の検証
のような感じもした。
そして足立は、インタヴューの答で「政治も芸術も同じだ」
と言い切り、1939年生まれで70歳を過ぎても、今なお滾るも
のを感じさせてくれる。それは一方では1970年代を「成功し
なかった革命」と総括する見識も持つものだ。
僕自身は足立氏より10歳若く、1970年は正に挫折の塊だった
ものだが、それを「成功しなかった」と総括して次に進むこ
とはできなかった。それは単に敗残でしかなかったもので、
その気分が連合赤軍事件などに繋がって行く。
しかしそれを、単に「成功しなかった」と言い次に突き進ん
だ足立氏には、敬服以外の何の言葉も浮んでこないものだ。
若者文化の中から「革命」という言葉が消えて久しいが、足
立氏の言葉の中に次に続いて行く力を感じさせてくれた。
本作の監督は1954年生まれのフィリップ・グランドリュー。
なお本作に関しては、今秋渋谷アップリンクでの公開が決ま
っている。
『スノーホワイト』“Snow White and the Huntsman”
ディズニーアニメーションでも著名な『白雪姫』の物語を、
ダーク・ファンタシーとして描き直した作品。企画製作は、
そのディズニーで『アリス・イン・ワンダーランド』を手掛
けたジョー・ロスが担当した。
物語の舞台はヨーロッパ中世の王国。その王国で健やかに育
っていた王女スノーホワイトの運命は、母親である王妃が他
界し父王が妖艶な美貌を持つ女性ラヴェンナを後妻を迎えた
ことから激変する。その女性は妖術を操る邪悪な魔女だった
のだ。
とまあ、物語の開幕はほぼ童話の通りだが、童話では森でス
ノーホワイトを殺してくるように命じられたハンターの設定
が少し変わって、原作では姫を殺せずに置き去りにしたハン
ターが本作では積極的に姫を訓練し闘士に育て上げる役割と
なる。
そしてスノーホワイトとハンターは揃って魔女への反旗を翻
すのだ。その脇には姫を思う王子や七人の小人も登場はする
が…。一方、魔女の狙いが美貌を保つための姫の心臓である
など、その辺はかなりダークな展開とされている。
出演は、スノーホワイトに『トワイライト・サーガ』などの
クリスティン・スチュワート、ラヴェンナに2004年8月紹介
『モンスター』でオスカー受賞のシャーリズ・セロン、そし
てハンターには、2011年5月紹介『マイティ・ソー』のクリ
ス・ヘムスワークが扮している。
また、今回紹介『ユナイテッド』に出演のサム・フランクリ
ン。さらにボブ・ホスキンス、イアン・マクシェーン、レイ
・ウィンストン、ニック・フロスト、トビー・ジョーンズら
が脇を固めている。
原案と脚本は、本作が長編第1作のイヴァン・ドハーティ。
その脚本に、2010年1月紹介『幸せの隠れ場所』でオスカー
候補になったジョン・リー・ハンコックと、2011年6月紹介
『シャンハイ』などのホセイン・アミニが手を加えている。
監督は、本作で長編デビューだがコマーシャル・フィルムや
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06月03日(日)
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