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On the Production
by 井口健二
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■虹色ほたる、宇宙戦艦ヤマト2199、ミッドナイト・イン・パリ、私の叔父さん、ソウル・サーファー、ベイビーズ、ロボット+製作ニュース
観客に何かを感じてほしいという監督の意図によるのだが、
作品を観る限りにおいては、何というか可愛らしさ先に立っ
て、それだけで終ってしまいそうな感じだ。
とは言え、アメリカと日本に対するナミビアとモンゴルは、
明らかに生活のレヴェルが異なっているもので、その辺がこ
の作品を観ていて何かを感じるとすれば、それは充分に感じ
ることはできた。
ただし会場で配られたプレス資料を観ると、ナミビアの子供
はこの出演によって医者に診てもらうことが出来。また出演
料は将来の子供のために取って置かれるとのことで、それは
彼の人生を変えてしまうものかも知れない。
そんな重要な情報を映画だけでは知ることができない。それ
も不思議な作品と言える。もちろん通常の作品であっても、
状況を知っているか否かで評価が一変してしまうようなもの
もあるのだから、それはそれもありということなのだろう。
赤ん坊と言えば最近インターネット上で怪しげな対話をする
赤ん坊の画像が話題になっていたが、その画像は僕の目から
するとかなりグロテスクで不快感のあるものだった。それに
比べると本作はさすがに子供たちを飛び切り可愛く捉えてい
る。
それを観るだけでも価値のある作品と言えそうだ。考えれば
いろいろなことも浮かんでくるが、それ以上のとやかくは言
えない感じの作品でもある。

『ロボット』“எந்திரன”
昨年の東京国際映画祭に『ラジニカーントのロボット(仮)』
の題名で出品された作品が、今度は一般公開されることにな
り試写が行われた。
ただし映画祭での上映時間は170分だったものが、今回上映
されたのは139分に再編集されている。この短縮は日本の興
行事情によるもののようだが、その事情は制作者側にも了承
されていることがプレス資料にも謳われていた。
物語は近未来のロボット開発に関るもので、中心となるのは
新たな「神経回路」を開発したロボット研究者。その回路を
組み込んで開発したアンドロイド型ロボットは、ほぼ完璧な
働きをするようだ。
そして研究者は、そのロボットの実用化の承認を政府機関に
申請するのだが、その機関は彼のライヴァルである教授に牛
耳られており、その教授は難癖を付けて承認を妨害する。し
かもその教授は「神経回路」の秘密も狙っていた。
斯くして研究者と教授の確執のドラマが展開され、そこに研
究者の婚約者の話などが絡まり、さらに研究者とそっくりの
風貌を持つロボットによる、人間技では不可能な大活躍のア
クションが繰り広げられる。
上記の短縮の具体的な内容は、映画祭での上映を観ていない
ので定かではないが、本作を観る限りは物語の展開に問題は
感じられなかった。ただしSFファンとしては本筋に関係な
いような部分の拘わりも気になるものだ。
上映された中でも「アシモフの3原則」への言及なども観ら
れたが、他にどんなエピソードがあったのか気になる。因に
本作の一般公開が成功したら、完全版の公開も可能になると
のことなので、それには期待したいものだ。
主演は、1998年『ムトゥ踊るマハラジャ』などのラジニカー
ント。共演は元ミス・ワールド第1位で、1999年『ミモラ−
心のままに』などのアイシュワリヤー・ラーイ。インド映画
らしく2人が踊るシーンもふんだんに登場する。
最近ハリウッド映画のVFXでもクレジットにインドの会社
の名前がよく登場するが、本作の成立にはそんな背景もあり
そうだ。しかしアクションシーンなどは多少そのVFXに頼
り過ぎな感じもして、この辺はリアルか荒唐かのメリハリが
欲しい感じもした。
とは言え今は本作をヒットさせて、完全版の日本公開に繋げ
たいものだ。
        *         *
 今回は少しページを残したので、制作ニュースをいくつか
お伝えしたい。
 まずは、何度かお伝えしているピーター・ジャクスン監督
の“The Hobbit”に関してProduction Videoが公開されてい
る。(http://www.facebook.com/PeterJacksonNZ?ref=ts)

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03月04日(日)
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