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On the Production
by 井口健二
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■AKB48、SHシャドウ・ゲーム、最高の人生を、第九軍団の、コーマン帝国、ファミリー・ツリー、種まく旅人、ドラゴン・タトゥー+Riddick
い年頃であり、上の娘は親に反抗して別の島の寄宿学校に暮
らしていた。
そんな2人の娘との関係を再構築し、さらに信託期限が6年
後に切れる先祖伝来の土地の行方を巡って主人公の葛藤が繰
り広げられる。
映画では、巻頭で最初に書いたようなナレーションが流れる
と共に街を歩く老人の姿が写し出され、楽園の現実が突きつ
けられる。そんな何処の社会にも変わらないのであろう現実
が、風光明媚なハワイの大自然を背景に描かれて行く。
共演は、2人の娘を演じるのが2008年ブレイク・スルー賞受
賞のシャリーン・ウッドリーと、映画出演も演技も初めてと
いうアマラ・ミラー。他に若手のニック・クラウス、ベテラ
ンのボー・ブリッジス、昨年8月紹介『ラブ&ドラッグ』に
出演のジュディ・グリアらが脇を固めている。
製作、脚本、監督は、2004年『サイドウェイ』でオスカー脚
本賞受賞のアレクサンダー・ペイン。ハワイ在住の作家カウ
イ・ハート・ヘミングスの原作からの脚色には、俳優でもあ
るナット・ファクスンとジム・ラッシュも参加している。
因に、原作者はクルーニーをイメージして作品を執筆してお
り、本作では主人公の秘書役で出演しているそうだ。
一応、娘を育てた身としてはいろいろ考えさせられるところ
も多い作品だった。幸い自分はこういう状況に置かれること
はなかったが、それぞれの娘に母親の状態を知らせるシーン
は見事な演出もあり感動させられた。

『種まく旅人〜みのりの茶〜』
農林水産省の後援で、日本の農業を描いた作品。
一方の主人公は、農水省の大臣官房に席を置く官僚。しかし
彼は身分を隠し、日本中の農家を訪ね歩いて農業の現状を知
ることを自らの使命としていた。ところがそんな主人公に地
方自治体の農政局長の辞令が発せられ、彼は大分県臼杵市へ
とやってくる。
そしてもう1人の主人公は、ファッション会社に務めていた
デザイナーの女性。彼女は不況のあおりで仕事を辞め、父親
との確執もあって祖父の住む臼杵市へやってくる。そこで祖
父は無農薬栽培の茶園を営農していた。
こうして女性は、ある事情から無農薬の農業を始めなくては
ならなくなるのだが…。そこには農薬の使用による大量生産
を勧める農水省の方針や、効率を優先する大規模農業法人の
存在、さらに地方の役人行政の体質なども絡んでくる。
ということで、農水省の後援の割にはそれなりに農政批判み
たいなものも描かれている作品だが、全体的には想定範囲の
ストーリー展開で、特に感動を呼ぶというところもあまりな
い作品だった。
ただまあ、ある意味の農業の素晴らしさを紹介しているとい
う点では、恐らく地方で進んでいるのであろう農業離れを少
しでも前向きに是正したいという農水省の気持ちは伝わって
くる感じの作品でもあった。
出演は、陣内孝則、田中麗奈、吉沢悠、柄本明。他に、永島
敏行、石丸謙二郎、寺泉憲、中村ゆり、林美智子。さらに徳
井優、前田健らが脇を固めている。
監督は、2010年8月紹介『ふたたび』などの塩屋俊。農業ラ
イター青葉薫の原作からの脚本は、『釣りバカ日誌』シリー
ズや2003年5月紹介『さよなら、クロ』などに参加の石川勝
己が担当している。
映画では、臼杵独特の釜煎り茶という茶葉の製法なども紹介
され、それはなかなか興味のそそられるものだった。このよ
うな各地の特産品や独特の製法などが紹介できるのなら、そ
れをテーマにしてシリーズ化も面白いのではないかとも思え
たところだ。

『ドラゴン・タトゥーの女』
          “The Girl with the Dragon Tattoo”
2009年10月紹介のスウェーデン映画『ミレニアム/ドラゴン
・タトゥーの女』を、2010年10月紹介『ソーシャル・ネット
ワーク』のデイヴィッド・フィンチャー監督がハリウッドリ
メイクした作品。
内容については以前の紹介を見てもらいたいが…。実はその
短い紹介文でもすでに本作と相違がある。それは同じ原作か
ら脚色するに当っての取捨選択によるものだが、それがここ

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01月22日(日)
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