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On the Production
by 井口健二
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■リアル・スティール、1911、ブリューゲル、ビッグバン、ゾンビ処刑人、フライトナイト、マジック・ツリーハウス、フラガール2+TIFF
ると西海岸に出かけていた僕には最高の年だったと言える。
そんな訳で僕は、オリジナルを初は字幕なしで鑑賞したが、
それでも存分にコメディとして楽しめた記憶がある。そこで
僕は、この作品をホラコメの元祖として認めることにしたも
のだ。従ってこの『フライトナイト』との再会は、僕にとっ
ては待望のものだった。
因に、『吸血鬼』は、その後にポランスキー監督が『ローズ
マリーの赤ちゃん』を撮ったので、そちらに敬意を払って元
祖の座は降りて貰うことにしている。
そんな待望のリメイクの物語は、オリジナルからは多少の改
変はあるものの、流れはほぼ同じ。その改変の中では、オリ
ジナルでロディ・マクドウォールが演じたホラー番組の司会
者が、ヴェガスのイリュージョニストになっていたのには、
感心したりもした。
その一方で、変身したヴァンパイアの造形がオリジナルのま
まなのには嬉しくなったもので、それらがパワーアップした
アクションと共に、最新のCGI−VFXで見事に再現され
ているものだ。
出演は、新版『スター・トレック』などのアントン・イェル
チン、前回紹介『ロンドン・ブルバード』などのコリン・フ
ァレル。他に、2007年『28週間後』などに出演のイモージェ
ン・プーツ、新版のテレビ“Doctor Who”で主演の英国俳優
デイヴィッド・テナント。
さらに、2006年11月9日付「東京国際映画祭」で紹介『リト
ル・ミス・サンシャイン』などのトニ・コレット、昨年10月
紹介『キック★アス』などのクリストファー・ミンツ=プラ
ッセらが脇を固めている。
ただし、本作は厳密にはホラコメではない。むしろ真面目に
青春ホラーとして描かれている。その点では僕自身は、最初
はちょっと戸惑ったが、この作品のオリジナルを本当に好き
なら、これもまた納得できるものだったと言える。
正直に言って最近のコメディめかしたホラーには辟易するも
のもあるが、本作にはそのようなところもなく、純粋に作品
として楽しめるものになっていた。前回紹介『ブラディ・パ
ーティ』に続いて、素敵な作品に出会えた感じだ。
『マジック・ツリーハウス』
全世界で9800万部以上出版されているというメアリー・ポー
プ・オズボーン原作の児童書シリーズからの映画化。その映
画化が日本のアニメーションで行われた。
原作は、誰が作ったとも判らないツリーハウスの中で、そこ
に置かれた本を指差し、「この世界に行きたい」と言うと、
時空を越えてその世界に行けるという物語。それぞれ異なる
世界で繰り広げられる冒険が、オリジナルでは既に100巻近
く刊行されているとのことだ。
そんな原作から映画化では、恐竜の国と中世の城、ポンペイ
の街に海賊船という4つの物語が選ばれ、それらを繋ぐ4個
のメダルを探すクエストとして再構成されている。そして主
人公の読書好きの少年とその妹の大冒険と、その中での彼ら
の成長なども描かれる。
まあお話は御都合主義満載のお子様向けのものだが、大人も
子供に戻って楽しむ分には、それなりの冒険も描かれるし、
兄弟愛や歴史上の出来事なども描かれて、悪くはない出来の
ものだ。自分の子供が幼かったら観させてやりたい作品とも
思えた。
脚本は2006年『ブレイブ ストーリー』などの大河内一楼、
監督は2000年『ザ・ドラえもんズ』などの錦織博。また音楽
を、2007年2月紹介『鉄人28号』などの千住明が担当して
いる。さらに主題歌は…。これはまだ情報解禁になっていな
いものだ。
声優は、2010年3月紹介『瞬』などの北川景子、同10月紹介
『ゴースト』などの芦田愛菜。他に山寺宏一、水樹奈々、元
宝塚花組トップの真矢みきらが脇を固めている。なお北川は
主人公の少年役だが、予想とは違う声の感じで良かった。
約100分の上映時間の中に4つのエピソードと、それらを繋
ぐ全体の物語を構成しているので、個々のエピソードは多少
駆け足な感じもするが、最近の落ち着かない子供たちには、
これくらい目先が変る方がよいのかな。
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10月23日(日)
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