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On the Production
by 井口健二
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■女の河童、ちづる、ブリッツ、ハラがコレなんで、風にそよぐ草、モンスター上司、カリーナの林檎、アンダー・コントロール+Thin Man
開される。それは勿論ギャグも半分なのだが、かなり強烈な
ものが次々に繰り広げられるものだ。
映画の製作はブレット・ラトナー。『ラッシュアワー』シリ
ーズなども手掛ける人気監督の製作した作品は、正にアメリ
カン病巣とも言える現実が、面白おかしく描かれているもの
だ。
出演は、2008年7月紹介『ハンコック』などのジェイスン・
ベイトマン、2010年5月紹介『バウンティー・ハンター』な
どのジェイスン・サダイキス、同年8月紹介『遠距離恋愛』
などのチャーリー・デイ。因にデイは、“Low & Order”に
1回出演しているそうだ。
対する横暴な上司役には、ケヴィン・スペイシ−、コリン・
ファレル、ジェニファー・アニストン。実生活ではいろいろ
トラブルを抱える俳優たちが、それも狙いだと思わせるよう
な演技を観せてくれる。
他に、ドナルド・サザーランド、ジェイミー・フォックスら
が脇を固めている。
日本映画だと、まずこのような描き方は不可能だと思われる
が、映画の中ではトヨタのプリウスが活躍するなど、日本も
関っている作品でもあった。いやはやそれにしてもかなり強
烈な作品だった。
『カリーナの林檎〜チェルノブイリの森〜』
1983年『アイコ十六歳』で監督デビューし、1988年には新井
素子原作『グリーン・レクイエム』なども監督している今関
あきよし監督が、2003年に現地で取材撮影監督するも公開は
されなかったドラマを、2010年新たな取材を加えて完成させ
た作品。
物語の舞台はチェルノブイリに近い寒村。居住禁止地区から
は境界を挟んだ隣ということだが、危険がないということで
はなさそうだ。その村で主人公は祖母と両親と共に暮らして
いたが、母親が病気になり、父親はモスクワに出稼ぎに行っ
てしまう。
そしてその村に住む祖母の家で夏休みを過ごした主人公は、
ベラルーシの首都ミンスクに住む叔父一家の住いにやってく
るが…。その家族には打ち解けられず、また友達のいない学
校も面白くはない。
そんな時、病床の母親からチェルノブイリの城に住む悪魔が
毒を撒き散らしていると教えられた主人公は、病気になった
祖母を1人で見舞いに行ってそのことを話すが、祖母はそん
な悪魔は神様がやっつけてくれると答えるだけだった。
そこで必死に神様にお願いをする主人公だったが、母親の病
状は一向に好転せず、さらに主人公自身も病に倒れることと
なる。そして入院した病院は、主人公の他にも原因不明の病
に苦しむ子供たちで一杯だった。
監督は、2003年にチェルノブイリの現状を伝えるラジオ番組
を聞いて作品を構想し、自費で現地に飛んで取材を開始、多
くの人の協力を得て一旦作品を完成させるが、当時すでにチ
ェルノブイリ問題は風化していて、作品の公開には至らなか
った。
しかし、どうしてもこの作品を一般に届けたかった監督は、
2010年に再度現地取材を敢行、25年経っても変らないチェル
ノブイリの現状を追加して公開を目指すことにした。ところ
が今度は福島原発の問題が発生。一時は公開を見送る意見も
あったが、今こそ見せるべきとの判断で公開に踏み切ること
にしたとのことだ。
役柄は主にベラルーシの俳優で演じられているが、主人公の
カリーナ役だけはロシア人のナスチャ・セリョギナによって
演じられている。撮影当時8歳だった子役の瑞々しい演技が
素晴らしい。また劇中の日本語のナレーションは大林宣彦が
担当している。
因に、題名のカリーナは主人公の愛称だが、映画にも出てく
る赤く熟した果実のことのようで、ネットをkalinaで検索す
るといくつか画像が見付かった。べリー類は環境が悪くなる
と豊作になると聞いたことがあるが、現地では今も豊作なの
だろうか。
前々回紹介した『チェルノブイリ・ハート』は、現状を生々
しく伝えるドキュメンタリーだったが、本作はそれをドラマ
にして心情に訴えている。その両作が共に2003年に製作され
ていたことも注目されるところだ。
それから試写会場ではクリアファイルでも配られたポスター
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09月04日(日)
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