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On the Production
by 井口健二
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■僕たちのバイシクル・ロード、ラブ&ドラッグ、ミッション:8ミニッツ、ゴモラ、VAMPIRE STORIES、メサイア+Blade Runner
れはヒットしたアメリカ映画でも同じことだ。
主演は、2007年12月紹介『そして春風にささやいて』などの
柳下大(D-BOYS)と、2008年2月紹介『カフェ代官山』など
の馬場徹。そして、2010年7月紹介『神様ヘルプ!』などの
加藤和樹が両作を通じての吸血鬼役でかなりのアクションも
演じている。特に加藤は、往年の和製ヴァンパイア俳優岸田
森にも似た雰囲気があり、なかなか良い感じだった。
他には、今年4月紹介『アベック・パンチ』などの牧田哲也
(D-BOYS)、田中れいな、鈴木愛理(共にハロプロ)らが脇
を固めている。
監督はテレビ出身で本作が長編映画デビューの後藤光、脚本
はTVアニメ『ONE PIECE』を手掛け、特に『EPUSODR: 0』
の脚本を担当したという田中仁。さらに音楽は、海外でも人
気があるというヴィジュアル系バンドのVersailiesが担当し
ている。
案内状の試写日程の欄にはB編、C編と書かれていて、これ
にはA編はどうした?という冗談も言ってみた。それは勿論
サブタイトルのせいなのだが、ここはやはり長兄(アイ兄と
呼ばれている)の空白の5年間を描いたA編と、主演2人の
対決を描くD=Duel編は作って貰いたいものだ。それが観た
くなるくらいの作品にはなっていた。

『メサイア』
昨年7月に発表されたドラマCDが話題になり、昨年12月に
小説版が登場、今年2月からは角川書店発行の月刊コミック
誌「ASUKA」で漫画連載中という作品の映画化。その映画化
を、平成『ガメラ』シリーズや『デスノート』、2008年11月
紹介『プライド』や今年3月紹介『ポールダンシングボーイ
★ず』などの金子修介監督が行った。
物語の時代背景は20XX年、世界は「北方連合」と「東連邦」
の2大勢力に分断され、両陣営は激しく覇権を争っていた。
そんな中、情報戦も熾烈を極め、日本では新たなスパイ組織
「警察省警備庁・特別公安局外事5係」通称“サクラ”が設
立されて、特別な訓練によって育成された若者のスパイたち
が活動を始めていた。
そして本作の物語は、富士山麓にある全寮制の学園で展開さ
れる。生徒の自主性が重んじられ、事実上生徒会が校内を支
配しているというその学園に、通常はほとんどない転入生が
やってくる。
ところがその生徒は、初日から遅刻をした上に制服や教科書
の用意もない。そこで1学年1学級のクラスの級長が彼の面
倒を見ることになるが…。遅刻の上に騒ぎを起こした転入生
は、早速生徒会にも目を付けられる。
こうして転入生の学園生活が始まり、彼の周囲には級長やそ
の仲間が集って、それなりの生活となって行く。その一方、
学園内の食堂などに置かれたテレビでは、外地で起きた凶悪
なテロ事件のニュースが報じられていた。
映画の始まりは至って普通の学園ドラマの展開で、その学園
のロケーションなどからは、今年6月紹介『あの、晴れた青
空』など「タクミくんシリーズ」を髣髴とさせた。しかしそ
の裏側では、巨大な陰謀が蠢いている…となるものだ。
という展開だが、実は今回の映画化の場合、上記の背景の部
分が発端では完全に隠されていて、予備知識なしで観ている
と最初は何を観せられているのか皆目解らない。その説明は
映画の後半に掛るところで明かされるが、果たしてその手法
が正しかったどうか。
それは原作が評判で、そんなことは観客が予め知っていろと
言いたいのかもしれないが、例えば出演俳優だけが目当ての
観客層にそれを押しつけていいものかどうか、その辺では多
少心配もしてしてまった。
因に予備知識なしで観た僕は、正直に言って映画の前半では
いじめや学内恋愛などの描写に辟易し、物語の全容が解って
からもその気分が残って、なかなか本筋の物語に入って行け
ない感じがしたものだ。
原作は壮大な世界観などで評価が高いようだが、この映画自
体ではそのイメージもあまり湧いてこないし、また題名にも
特別な意味があるらしいのだが、その辺も映画では明確には
説明されていない。
その辺が解っていれば多少観方も変ったのかも知れないが、

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08月28日(日)
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