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On the Production
by 井口健二
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■沈黙の春…、夜明け…、LIFE IN A DAY、ウィンターズ・ボーン、地球にやさしい…、ラビット・ホラー、ホワイト、チェルノブイリ+Ranger
そんな彼女が口を利けなくなったのは、幼い頃のトラウマに
よるようだ。
そんな彼女には小学生の弟がいて姉弟の仲は良かったが、あ
る出来事からその弟が登校拒否になってしまう。しかも2人
で3Dのホラー映画を観に行った日から弟の様子がさらにお
かしくなり、それに誘われるようにして彼女の異世界への旅
が開始される。
この2人の観に行くホラー映画が『戦慄迷宮』で、ここでの
2重の3D感はなかなか面白かった。さらにそのキャラクタ
ーの一部が本作にも関るが、物語的な繋がりはそこまで、本
作ではここから、彼女が口を利けなくなった原因の究明など
が展開されて行く。
共演は、香川照之、緒川たまき、大森南朋。現在の日本映画
ではかなりの配役と言えるだろう。さらに子役で、4月紹介
『パラダイス・キス』にも出ていた渋谷武尊、雑誌リボンの
キャラクターも務める田辺桃子らが出演している。
まあ、お話自体は有り勝ちのものかも知れないが、それを俳
優陣がしっかりした演技で観せてくれる。しかもそれを撮影
したのがアジア映画の名匠とも呼べるC・ドイルで、それは
見事な映像の中で物語が展開されているものだ。
なおエンドロールによると、3D撮影にはパナソニックシス
テムソリューションズが協力したと記載されており、前作の
時はいろいろ手作りしたとのことだったが、今回は技術的な
サポートもしっかりされていたようだ。
『ホワイト』“화이트: 저주의 멜로디”
8月11日に日本デビューしたガールズK-PopグループT-ARA。
その中で一時はリーダーも務めていた子役出身の歌手ハム・
ウンジョンの主演によるサスペンス作品。
主人公は、売れないガールズグループ《ピンクドールズ》の
リーダー。メムバーの中では最年長の彼女は纏め役として頑
張ってはいるが、売れない期間が続くとグループの纏まりも
無くなってくる。
そんな時、スポンサーの好意で引っ越したダンスの練習場を
掃除中、主人公は隠し戸棚に置かれていた古いVHSテープ
を見付け、収録されていた「ホワイト」という曲に魅了され
る。その曲は歌っていたメムバーの事故死などでお倉入りに
なっていたものだった。
こうしてその曲を新曲として披露した《ピンクドールズ》は
瞬く間に人気者になって行くが…。人気が上がるに従ってグ
ループ内の争いも激化し、さらに不審な事故が相次ぐように
なってくる。
そんな中で曲に問題があると感じた主人公とその親友は、そ
の映像に秘められた謎に迫って行くのだが…
呪いのヴィデオテープというのは、『リング』以降のホラー
映画の定番の一つになった感じがするが、元の被害者とは縁
も所縁もない人に呪いが掛かるというのは理不尽というか、
逆恨みも甚だしいという感じのものだ。
でもまあ本作の場合は、それが一方では成功にも繋がってい
るとすると、これはなかなか深いものにもなってくる。とは
言え基本は最近の若者向けのホラーということで、本作の場
合も理不尽な呪いがメインとなっている。
共演は、テレビ出身のジン・セヨン、実力派アーチストとい
うメイダニ、元はアイスクリームCMの人気者というチェ・
アラが、《ピンクドールズ》のメムバーに扮し、他に、若手
演技派のファン・ウスレ、モデル出身のビョン・ジョンスら
が脇を固めている。
監督は、キム・ゴック&キム・ソンという双子の兄弟。韓国
映画のインディペンデント・シーンで活躍してきた監督の商
業作品デビューとのことだ。
『チェルノブイリ・ハート』
“Chernobyl Heart/White Horse”
1986年4月26日にソビエト連邦ウクライナのチェルノブイリ
原子力発電所4号炉で発生した原子力事故。その15年後を取
材し、2003年のアカデミー賞短編ドキュメンタリー部門を受
賞した表題作と、さらにその5年後を取材したドキュメンタ
リー作品。
題名の意味は、表題作の後半で明らかにされるが、チェルノ
ブイリの汚染地区の周辺で生まれ育った子供たちに多発して
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08月14日(日)
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