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On the Production
by 井口健二
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■アクシデント、孔子の教え、くまのプーさん、ラビット・ホール、カンパニー・メン、サンクタム(再)、タナトス+追悼
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。 ※
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『アクシデント』“意外”
2010年3月紹介『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』などのジ
ョニー・トー監督が製作を務め、元トー組の助監督で2006年
11月5日付「東京国際映画祭」で紹介した『ドッグ・バイト
・ドッグ』などのソイ・チェンが監督したサスペンスアクシ
ョン。
最初に交通事故で運転していた女性の死亡した現場が写し出
され、続いてかなり込み入った手口で標的を殺害する暗殺団
が描かれる。彼らの手口は極めて周到で、それは事故死にし
か観られない。
そして豪雨の中で次の標的の殺害が実行されたとき、いくつ
かの手違いから主要メムバーの1人が事故に巻き込まれ死亡
してしまう。しかしそれは本当に事故だったのか、自分たち
の手口ゆえに疑心暗鬼が生じる。
さらに怪しい人物を追跡した暗殺団のリーダーは、保険会社
の幹部の介在を確認し、その幹部の住むマンションの下の部
屋に入居してその背後関係を調べ始めるが…。それは次々に
疑惑を呼んで行くものだった。
何しろ暗殺の手口がトリッキーで、それはそんなにうまく行
くはずはないとも思えるものだが、その風が吹けば桶屋が儲
かる的な手口が観ていて存分に楽しめる作品だ。
ストーリー的には、途中でリーダーの過去に関する台詞があ
って、多分それが全てなのだろうと思うが、実は映画の中で
は余り明確には描かれない。でもそんなことは元々監督らの
眼中には無いのではないかな…何しろ描かれる手口にはニヤ
ニヤしてしまった。
出演は、2006年9月紹介『エレクション“黒社會”』などの
ルイス・クー、2009年2月紹介『新宿インシデント』などの
ラム・シュー、今年4月紹介『ドリーム・ホーム』などのミ
ッシェル・イエ、2005年9月紹介『シルバーホーク』などの
リッチー・レン、『冷たい…』などのフォン・ツイファン。
因に、本作の英語題名は‘accident’。中国語の原題は、映
画の中では「イーガイ」というような発音に聞こえたが、そ
れは「事故」というような意味で使われていた。一方、この
原題は日本語では‘accidental’の意味で使われるが、その
ニュアンスの微妙な違いも面白い感じがした。
それにしてもこんな連中が何組も暗躍しているなんて…。こ
れはトー監督らの独自の見解なのかな。
『孔子の教え』“孔子”
中国の国際スター=チョウ・ユンファが、中国の国教ともさ
れる儒教の始祖で哲学者の孔子に扮して、その生涯を描いた
作品。
孔子は紀元前552年、中国の魯国に誕生。周王朝が凋落し、
群雄割拠の春秋戦国の時代。魯も三恒と呼ばれる3士族が軍
を3分して私兵化するなど乱世であった。そんな中で孔子は
庶民の出でありながら、やがては魯の国相代理にまで登り詰
める。
その間には、隣国斉との会談に際して魯公に随行し、以前に
奪われた領地を取り戻すなど功績を挙げるが、三恒の居城の
城壁を取り壊させることに関してはその内の孟氏の居城は破
壊できずに失敗。国政に失望して魯を去る。
その後は弟子と共に諸国を歴訪するが受け入れてくれる国は
少なく、一時は7日間も食料もなく山野を彷徨う羽目にも陥
る。ところが斉が魯に攻め入った際に派遣した弟子が魯軍を
率いて斉軍を打ち破り、その功績もあって孔子も魯に帰国。
その帰国後は国政に関わることは固辞したが、庶民の教育の
必要性などを解き、国家・国民の育成には努めたという。し
かし弟子たちが次々に死去するなどし、やがて隠遁して紀元
前479年73歳で生涯を閉じた。
共演は、2009年1月紹介『四川のうた』などのチェン・ジエ
ピン、5月紹介『酔拳』などのジョウ・シュン、昨年12月紹
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08月07日(日)
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