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On the Production
by 井口健二
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■ヒマラヤ、復讐捜査線、リメンバー・ミー、あぜみちジャンピンッ、幸せのパズル、赤い珊瑚礁、ワン・ヴォイス+Rendezvous With Rama
そうだ。そこには何か空しさもある。
そんな彼女が次のパズルを求めて立ち寄った店で目にしたの
は、パズル大会に出場するためのパートナーを募集する張紙
だった。そして試しにその住所を訪ねると…
40年も昔の学生時代には、ジグソウはよく作ったし、社会人
になって結婚しても暫くの頃はブームもあって、海外旅行で
珍しい形のジグソウを土産に買って、泊まり込みで仲間と作
りに行ったりしたこともあった。
だからジグソウパズルの魅力も知っているし、そこに競技会
や世界大会なんて言葉が出てくると、それだけでも憧れてし
まうような物語だ。
ただ自分が男性だと、なかなかヒロインの立場にはなり難い
もので、勢い夫の立場で観てしまったりもするのだが、する
とこの作品はあくまで女性のための物語だと思えてくる。お
そらく女性の観客なら僕より楽しめるのではないか、そんな
風にも感じられた。
脚本と監督は、1972年生まれのナタリア・スミルノフ。エン
ジニアの出身で長くテレビ局の裏方にいた後、映画を勉強し
数多くの監督の助監督を勤め、満を持しての本作でベルリン
映画祭に招かれた。
主演は、1966年生れで2008年東京で開催されたラテンビート
映画祭で主演女優賞を受賞しているベテランのマリア・オネ
ット。女性による女性のための作品と言えそうだ。
『赤い珊瑚礁−オープン・ウォーター』“The Reef”
2003年の『オープン・ウォーター』、2007年の『オープン・
ウォーター2』に続く人食い鮫の生息する海域に取り残され
た人々を描いた作品。
1はバハマが舞台のアメリカ映画、2はマルタで撮影された
ドイツ映画だが、一応原題でも“2”とされていたようだ。
そして本作はオーストラリア映画で、実はデータを見ても繋
がりは判然としないが、まあそんなところだ。
従って本作は物語上も繋がりはなく、前作を観ていなくても
本作だけで理解できる。しかも本作は、初めて鮫の本場グレ
イトバリアリーフで撮影された作品とのことで、その意味で
はこれこそ本物という感じかな。
さらに本作の製作・脚本・監督は、2009年7月紹介の人食い
ワニ映画『ブラック・ウォーター』のアンドリュー・トラウ
キが手掛けており、同作ではメルボルン・アンダーグラウン
ド映画際の監督賞も受賞した監督が、今回もたっぷり楽しま
せてくれている。
物語は、インドネシアに船を運ぶ仕事をしているという男性
が主人公。彼の親友で現在はロンドンに住む男性が恋人を連
れてバカンスにやってくる。そこには親友の妹も同行してい
るが、主人公とは過去に何かあったようだ。
そしてもう1人のクルーと共に出航した一行は、鮫がいるか
知れないという珊瑚礁でダイヴィングを楽しんだ後、外洋を
航行中に船に何かが衝突する。しかもその後に一気に転覆し
た船は、損傷が大きくて数時間後には沈没してしまうと予想
される。
そこで主人公は、18km先にあるはずの島を目指して泳ぎ渡る
ことを提案するが、その海域には人食い鮫がいる可能性もあ
った。
映画の最初には‘based on a true event’という表記もあ
って、それはまあそういうことなのだろうけど、外洋を海図
も無しに見えてもいない島に向かって泳ぐなんて無謀も甚だ
しい。でも現実にはそんなものなのかな。何れにしても実話
の映画化なのだ。
出演のダミアン・ウォルシー=ハウリング、ガイトン・グラ
ントリー、ゾー・ネイラー、エイドリアン・ピカリングは、
いずれオーストラリアのテレビ俳優が中心のようだが、もう
1人のクルーを演じていたキーラン・ダーシー・スミスは、
2006年8月紹介『地獄の変異』に出ていたそうだ。
『ワン・ヴォイス』“One Voice”
ハワイのカメハメハ・スクールで90年間続いているという全
校を挙げた‘ハワイアン・スクール・ソング・コンテスト’
の模様に取材したドキュメンタリー。
カメハメハ・スクールは、ハワイの統治者カメハメハ大王の
直系の子孫だった王女の遺産を基に、ハワイの文化継承を目
的として、ネイティブ・ハワイアンの血を引く生徒だけを対
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06月26日(日)
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