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On the Production
by 井口健二
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■AVN、ザ・ウォード、モンスターズ、天国の日々、men's egg、スーパー8、スリー・デイズ+Thor記者会見
などの高部あい、そしてギャル男のリーダー役に2008年6月
紹介『愛流通センター』などの前田公輝。
他に坂口拓、入来茉里、永島敏行、板尾創路らが脇を固め、
さらに雑誌モデルのギャル男、ギャルの面々が映画デビュー
を飾っている。
脚本は、2009年11月紹介『板尾創路の脱獄王』などの増本庄
一郎と2008年11月紹介『プライド』などの高橋美幸。時間経
過の説明などに多少の問題はあるが、この素材でこの展開は
上手く纏めていると言えそうだ。
そして監督は、2005年4月紹介『魁!!クロマティ高校』など
の山口雄大。今週は何と監督作品を3本も観てしまったが、
本作でちょっとほっとした。本人的にこの手の題材がどうな
のかは判らないが、特に演奏シーンの演出は見事と言えるも
のだ。

『スーパー8』“Super 8”
2009年『スター・トレック』のJ.J.エイブラムス監督と、
製作のスティーヴン・スピルバーグがタッグを組んだハート
ウォーミング・ファンタシー作品。
物語の背景は、スリーマイル島の原発事故が起きた1979年の
こと。主人公の少年たちはコンテストに応募するための8ミ
リ映画の製作をしていた。ところが無人駅でのロケ撮影の最
中、その駅を通りかかった貨物列車が脱線、転覆、爆発する
事故に遭遇する。
そして辛く難を逃れた少年たちは、事故の原因が自分たちの
通う学校の教師であったことを知り、しかもその教師からは
すぐにその場を離れないと、少年たち自身や彼らの家族の生
命も危険に晒されると忠告される。
そのため事故現場からは逃げ去った少年たちだったが、やが
て彼らの住む町に軍隊が到着し、何やら怪しげな調査を開始
する。しかも少年たちが撮影した8ミリフィルムには尋常で
はないものが写されていた。
「エリア51」絡みの話という情報は事前に伝わっていて、
一部には『E.T.』のリメイクという噂もあった作品だが、
完成された作品は『E.T.』と『未知との遭遇』の中間と言
えるような感じのものになっていた。
それは、例えば主人公の少年の家が父子家庭(『E.T.』の
主人公の家は母子家庭)であったり、少年たちが移動手段に
自転車を使っているなど、『E.T.』との共通点は容易に見
つけられるものだが、その一方で軍隊の登場などは『未知と
の遭遇』を思わせた。
いずれにしても、1977年『未知との遭遇』と82年『E.T.』
の間の1979年が物語の背景というのは、それらが意識されて
いることは間違いないだろう。しかも製作のスピルバーグは
エイブラムスが書いた脚本にも相当にアイデアを提供してい
るようだ。
そして物語は、スピルバーグが再び『E.T.』と『未知との
遭遇』に挑戦したら、きっとこんなものになっただろうと思
わせる作品になっていた。しかもそこにエイブラムス独自の
外連がたっぷりと注ぎ込まれているものだ。
少年たちの配役には、本作がデビューのジョエル・コートニ
ーとライリー・グリフィス、多数の短編映画に出演している
ライアン・リー、2007年3月紹介『ハリウッドランド』など
のザック・ミルズ、テレビで活躍のガブリエル・バッソ。
それに2007年1月紹介『バベル』などのエル・ファニング。
因にファニングは、今まではダコタの妹として観てきたが、
本作では見事にティーンエイジャーの少女という感じで、さ
らに劇中の8ミリ映画で演じる女性の役には驚かされる演技
力を見せてくれた。
6月24日の日本公開で宣伝期間は短いが、公開されればこの
夏の最大の話題作になること間違いなしと思われる作品。な
おプレス資料にはSF超大作と銘打たれていた。

『スリー・デイズ』“The Next Three Days”
2009年12月に紹介のフランス映画『すべた彼女のために』の
ハリウッドリメイク。前の紹介の時にも書いたが、このリメ
イクを、2005年11月紹介『クラッシュ』などのポール・ハギ
スが脚色監督している。
主人公は2年制大学の教授。ある日突然妻が殺人容疑で逮捕
され、裁判の結果は状況証拠や目撃証言などで有罪で、懲役

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06月19日(日)
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