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On the Production
by 井口健二
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■乱反射/スノーフレーク、ロシアン・ルーレット、ハンナ、M・ソー、メタルヘッド、鯨とり、ハングオーバー!!、青空どろぼう+Oz,The Great
題名は、「夢をつかむ」といった意味の韓国の隠語だそうだ
が、偶然知り合った風俗の女性に心を通わせた大学生が、彼
女を故郷に帰そうと追手のやくざなどとも対決しながら旅を
続けて行くロードムーヴィ。
主人公はちびで眼鏡でひ弱な大学生。彼は結婚するまでは童
貞を守ると誓っていたが、ある日のこと警察ざたに巻き込ま
れ、そこで窮地を救ってくれた物乞いの男の手引きで風俗街
に足を踏み入れてしまう。
そして、店で暴力を振るわれていた失語症の女性に童貞を捧
げてしまった主人公は、彼女を連れて女性の故郷の島を目指
すことにするのだが…。そこに物乞いの男も同行し、さらに
やくざの追手も現れる。
それにしても雪の降り積もる真冬の韓国での逃亡劇、しかも
着の身着の儘の無一文なのだから、これはかなりの偶然にも
助けられる。しかし、物乞いの男や失語症の女性の機転や行
動があって、それらは物語としては納得できるものになって
いた。
出演は、大学生役に、後にソウルオリンピックやワールドカ
ップ開会式などの音楽監督も務めるミュージシャンのキム・
スチョル。ちょっと日本の「ジ・アルフィー」坂崎幸之助に
似た容貌で、それだけでも納得してしまえるが、映画出演は
本作だけだそうだ。
また失語症の女性役には2003年『スキャンダル』などのイ・
ミスク、そして物乞いの男役にアン・ソンギ。他にやくざ役
で映画出演100本以上というベテラン俳優のイ・テグン。
なお、以前の日本公開では別の副題が付いていたが、今回か
ら映画の主題歌に合わせたものにしたそうだ。その主題歌は
キム・スチョルが歌っているものと思われるが、昔のフォー
ク・ロックを思わせる曲想で懐かしさも感じられた。
『風吹く良き日』の時は若者の行動などにちょっと違和感が
あったが、本作は物語としてはありそうで納得できた。しか
もロードムーヴィということでは珍しい事物などもそれなり
に了解できるし、違和感は生じなかったものだ。

『ハングオーバー!!史上最悪の二日酔い、国境を越える』
               “The Hangover Part II”
昨年4月紹介『ハングオーバー!消えた花ムコと史上最悪の
二日酔い』の続編。
前作でどたばたを繰り広げたステュ、フィル、アランの3人
組の内、今回はステュが結婚することになるが、何とお相手
はタイの富豪の令嬢で、結婚式は花嫁の母国で行われること
になる。そこでフィルと前作の花婿ダグが招待される。
ところが、ダグのたっての願いで前回の問題児アランも同行
することになり、さらに16歳でアメリカの医科大に留学中の
花嫁の弟も加わって、異国での独身パーティが始まるが…。
ビール1本しか飲まなかったはずの一行が目覚めると。
展開は前作と同じ、はっきり言って下ネタや、かなり暴力的
なドタバタギャグが展開される。しかも今回の舞台はタイ、
その異国文化も満載でマーケットやら寺院やら、それに風俗
街も背景に飛んでもない事態が進行する。
出演は前作と同じで、エド・ヘルムズ、ブラッドリー・クー
パー、ザック・ガリフィアナキスとジャスティン・バーサ。
さらに前作から、ケン・チョンとスペシャルゲストも再登場
する。
そして本作の新たな共演者は、2004年『サイドウェイ』や、
2008年4月紹介『シューテム・アップ』などのポール・ジア
マッティ、ベテランが怪演を観せてくれる。他に、今年4月
紹介『エンジェル・ウォーズ』などのジェイミー・チャン。
また劇中で名演技見せる猿は、1997年『ジャングル・ジョー
ジ』や、2006年、09年『ナイトミュージアム』シリーズにも
出演のベテランだそうだ。
脚本と監督は、前作と昨年11月紹介『デュー・デート』のト
ッド・フィリップス。前作ではR指定コメディ映画の史上最
高興行収入記録を樹立した監督が、今回もそれを上回る猥雑
で下品な大人のコメディを作り上げている。
物語的には前作の経験が活かされていたりするシーンはある
が、基本的な部分は本作だけでも多分理解できるかな。前作

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05月29日(日)
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