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On the Production
by 井口健二
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■ロサンゼルス決戦、奇跡、それでも花は咲いていく、昼間から呑む、ポールダンシングボーイ★ず+ニュース
若者たちが、インストラクターの演技に魅せられてポールダ
ンスを始めてしまう。
この展開も、2006年12月紹介『ウォーターズ』を思い出して
しまうが、この辺も言ってみれば有り勝ちな展開なのかも知
れない。脚本は、お笑いコントユニット・フラミンゴの吉田
ウーロン太が担当している。
ただし試写前に行われた監督の挨拶によると、「昨年秋に出
演者たちと会って彼らで何か撮りたいと思い、それから余り
時間も掛けずに作った作品」とのことで、その点では脚本の
練り込みなどもあまりされてはいなかったのだろう。
その出演者は、ワタナベエンターテインメント所属のD2。
最近では1月紹介『ランウェイ☆ビート』などいろいろな映
画に出演者を送り込んでいる演劇集団D-BOYSの弟分というグ
ループのメムバーが集団で主演している作品だ。
因にそのメムバーは、荒井敦史、阿久津眞太郎、上鶴徹、山
口賢貴、近江陽一郎、三津谷亮、酒井幸人、池岡亮介、根岸
拓哉、陳内将。これから伸びてくる連中と思われるので、名
前を列記しておく。
共演は、2008年8月紹介『東京残酷警察』などの泉カイ、同
年5月紹介『今日という日が最後なら』の柳裕美、グラビア
アイドルで2008年『お姉チャンバラ』などの橋本愛実、さら
に蛍雪次朗らが脇を固めている。
男子のポールダンスは、さすがに力強くて倒立なども簡単に
決めてしまうが、最後に演じられる群舞のパフォーマンスは
やはり即席な感じが否めなかった。でも、それまで未経験の
彼らをここまで仕上げられれば…。観客もそれは判って観に
来るはずのものだ。
それに本作では、インストラクター役の泉はそこそこのダン
スを魅せてくれるし、さらにメムバーたちが実際のショーを
見学に行くシーンでのプロダンサーたちのパフォーマンスは
見応えがあった。
上映時間1時間25分の作品だが、D2のファンなら間違いな
く楽しめそうだ。
ただ一言添えておくと、劇中に挿入されてエンディングでも
流れる監督作詞の主題歌は、今の時期に歌詞がちょっと問題
にされそうだ。公開までに修正できると良いのだが。

以上が今週観られた作品だが、実はこの他に鑑賞予定だった
『処刑剣』『愛の勝利を』『スコット・ピルグリム vs.邪悪
な元カレ軍団』『カルメン−3D』『パラダイス・キス』の
試写会が中止になり、『ソウルのバングラディシュ人』とい
う作品では、上映の途中で大規模停電の警告が出て中断され
るという事態にもなっている。
いずれも震災やその後の電力事情によるものだが、すでに何
本かの作品は、状況に鑑みて公開が見送られる可能性も出て
きており、来週は9本観る予定も全うできるかどうか怪しい
ものだ。もちろん被災地の状況は判っているし、興行の影響
力も理解はするが、公開の見送りなどには過剰反応の感じも
あり、もう少し柔軟に事に当って欲しいとも感じる。
ゴールデンウィークに向かって、例年なら試写も増える時期
だが、どうなってしまうのか心配なところだ。
        *         *
 今回の製作ニュース。
 まずは続報で、前回報告“Silent Hill: Revelation 3D”
に関して、すでにトロントで開始されている撮影に、2004年
11月紹介『ネバーランド』などのラダ・ミッチェル、2006年
8月紹介『サイレント・ノイズ』などのデボラ・カーラ・ア
ンガー、それに『LOTR』シリーズのボロミア役ショーン
・ビーンの出演が発表された。
 で、この3人は、実は2006年5月紹介の前作『サイレント
ヒル』にも登場していた俳優陣(シャロンの両親とアレッサ
の母親)で、前回はrebootとして紹介したが、前作との関係
もかなり明確に描かれた作品になりそうだ。ただし今回の主
人公はヘザー・メイスンとその父親のハリーとなっており、
それとの関係はまだ明らかにはされていない。
 トロントでの撮影は、2009年“Solomon Kane”などのマイ
クル・J・バセットの監督で3Dで行われており、全米公開
は2012年に予定されている。
        *         *

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03月20日(日)
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