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On the Production
by 井口健二
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■八日目の蝉、バビロンの陽光、光のほうへ、星を追う子ども、大木家のたのしい旅行、孫文の義士団+製作ニュース
めの協議を行うことが目的だった。その動向を察知した清王
朝は孫文を亡きものにするため、総勢500人の暗殺団を香港
に送り込む。
それに対する香港の民主勢力は、当初は領事館に立て籠る孫
文らに迫る暗殺団を真向から守る計画だったが、それには勢
力が足りないと判断し、孫文の替玉を仕立てて彼の母親の許
に向かわせ、待ち伏せる暗殺団と戦いながら時間を稼ぐ作戦
に出る。
しかしそれは、町中の何処から襲われるかも知れない状況の
中で、1時間に亙って決死の戦いを繰り広げるという壮絶な
作戦だった。そして10月15日、日本から2週間の船旅の末に
孫文が香港に到着する。
2009年7月に紹介した映画『孫文』では、このときの孫文は
香港政庁から上陸を拒否され、結局英領マラヤのペナン島に
向かってそこで会議を開くことになるものだが、本作では、
「もしその時に香港上陸が許されていたら」というifの物語
が描かれる。
従って設定自体がフィクションだから、そこから描かれる物
語はかなり自由奔放で、見事なカンフーアクションドラマが
展開される。ただし、映画の冒頭に描かれる「輔仁文社」は
香港に実在した革命の拠点だそうで、その辺に香港側の思い
入れもあるようだ。
出演は、2005年9月紹介『セブンソード』のドニー・イェン
とレオン・ライ、同年12月紹介『PRMISE』などのニコラス・
ツェー、2006年12月紹介『墨攻』などのファン・ビンビン、
2008年12月紹介『花の生涯』のワン・シュエチー、1992年の
『ラマン/愛人』などのレオン・カーフェイ。
また、2005年にオーディション番組を勝ち抜き中国全土で人
気ポップシンガーとなったクリス・リー、アメリカNBAで
も活躍したメンケ・バータル。さらにエリック・ツァン、サ
イモン・ヤム、フー・ジェンらが脇固めている。
ダニー・ボイル監督やスティーヴン・ダルドリー監督らも訪
れたという当時の香港を忠実に再現した大規模なセットの中
で、ドニー・イェンらによる壮絶なカンフーアクションが展
開される作品だ。
* *
後半の製作ニュース、今回はワーナーの『バットマン』、
ソニーの『スパイダーマン』に続き各社から、往年のヒット
シリーズの再開(reboot)の計画が発表されている。
その1本目は、『ザ・タウン』『ツーリスト』を製作した
GKフィルムスから、2001年と2003年にアンジェリーナ・ジ
ョリーの主演で映画化された“Lala Croft: Tomb Raider”
の映画化権を獲得し、2013年の公開を目指して製作するとの
発表が行われた。
作品は、1996年第1作が発表された人気ヴィデオ・ゲーム
に基づくもので、ゲームは累計で3500万本を売り切っている
とも言われている。さらに先の2本の映画化も全世界の合計
で4億3200万ドルを稼ぎ出しているとのことだ。そしてその
権利は、当初イギリスのEidos社が持っていたが、2009年に
Eidos社は日本のスクエア・エニックスに買収され、同社は
今年12月にも新規のシリーズ再開作を発表する計画になって
いるとのことだ。
従って今回の契約も、GKフィルムスとスクエア・エニッ
クスとの間で結ばれたもので、ハリウッドでは『バイオハザ
ード』のカプコンが一歩リードしている感じの映画化路線に
新たな流れが生まれることになりそうだ。
ただし今回の発表では、GKフィルムスと『ツーリスト』
で組んだばかりのアンジェリーナ・ジョリーに出演の情報は
ないようで、rebootは基本的に出演者も入れ替えになるのが
相場のようだが、2003年の第2作の時にはかなりも思い入れ
も感じられたジョリーが、製作会社との繋がりでどのように
関りを持つかも気になるところだ。
なお、前2作の映画の配給はパラマウントが担当したが、
今回の配給についてはまだ発表されていない。ただし、実は
旧Eidos社にはワーナーが出資していて、数年前にワーナー
でもrebootの計画があったとのこと。しかし上記の買収で消
滅した経緯があるようで、それがどのよう作用するか。何れ
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03月13日(日)
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