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On the Production
by 井口健二
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■A3DU、少年マイロの火星冒険記、ナチス偽りの楽園、はい!もしもし大塚薬局ですが、エクレール・お菓子放浪記+ニュース
に、作品賞に関しては『英国王のスピーチ』と『ソーシャル
・ネットワーク』のどちらかで迷いはしたが、監督賞に関し
てはデイヴィッド・フィンチャーが鉄板だと思っていた。
勿論『英国王…』は感動的で、脚本賞、主演男優賞は仕方
のないところだが、演出の面で言えばそれは脚本の良さと、
コリン・ファース、ジェフリー・ラッシュ、ヘレナ・ボナム
=カーターの演技に支えられたもので、監督が何かしたよう
な作品ではない。
それに比べると『ソーシャル…』のフィンチャーは、脚色
賞を受賞したアーロン・ソーキンのシナリオを、脚本だけで
は描き切れなかった部分まで見事に映像化したもので、これ
こそが演出と呼べるものだった。でもまあ、あの早口の台詞
廻しは俳優には負担かも知れないし、会員の多くを占める俳
優がこれは認めたくないという気分になったかも知れない。
そんな勘繰りもしたくなる結果だった。
なお『ソーシャル…』は編集賞と作曲賞にも輝いている。
それで『英国王…』は作品、監督、脚本、主演男優の4部
門受賞となったが、それと並んで『インセプション』も4部
門の最多受賞に並んだのは嬉しいところだ。受賞したのは撮
影、録音、音響編集と視覚効果だが、今年度の最多受賞作で
あることに代りはない。
この他は、『アリス・イン・ワンダーランド』が美術賞と
衣裳賞、昨年10月紹介『ウルフマン』がメイクアップ賞を受
賞した。それと、ナタリー・ポートマンの『ブラック・スワ
ン』での主演女優賞受賞は嬉しいところだ。
それから受賞は逸したが、長編ドキュメンタリー部門の候
補作の中に、昨年11月2日付「東京国際映画祭」で紹介した
『ヴィック・ムニーズ/ごみアートの奇跡』“Waste Land”
が入っていたことに受賞式の中継を観ていて気が付いた。迂
闊だったとしか言いようがないが、映画祭では感動した作品
の1本だったので受賞を逃したことは残念だった。
* *
久し振りに製作ニュースもじっくりお伝えしよう。
まずは、すでに何度か紹介している『スター・ウォーズ』
サーガの3D化について、その第1作の全米公開日を2012年
2月10日とすることがフォックスから正式に発表された。た
だし、この3Dヴァージョンの公開はサーガの番号順に行う
とのことで、つまり来年の公開は“Episode I: The Phantom
Menace”からになる。そしてその後はどのくらいの間隔で後
続されるか不明だが、いずれにしても“Episode VI: A New
Hope”まではもう少し待たされるようだ。
因に“The Phantom Menace”に関しては、映画公開直後に
Topps社から3Diのカードが発売されたもので、これは映画の
撮影時に3Dが準備されていたことが想像される。従って映
画の3D化も当初から考慮されていたと思われ、まずは順調
に3D化も進められることになりそうだ。これはそれに続く
“Attack of the Clones”“Revenge of the Sith”につい
ても同様と思われる。
これに対し“A New Hope”“The Empire Strikes Back”
“Return of the Jedi”の3作は、映画の撮影時にそのよう
な考慮はされていたと思えないが、“A New Hope”と“The
Empire Strikes Back”に関しては、すでにTopps社の3Diカ
ードが発売されており、その3Dイメージもなかなかのもの
なので、静止画と動画は違うものとは言え、そのクオリティ
での3D化を期待したいものだ。
なお3D化はILMが直接行っているとのことで、この情
報も2転3転したが、最終的には自らの手で行うことにした
ようだ。2Dから3Dへのコンヴァージョンにはいろいろ微
妙なところもあるが、まずは来年第1作の公開を待ちたい。
* *
次はちょっと意外な情報で、アメリカで“Star Blazers”
の題名で知られる日本製テレビアニメの映画化権をスカイダ
ンス・プロダクションという製作会社が獲得し、同社のオー
ナーで、今年1月紹介したコーエン兄弟監督の『トゥルー・
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03月06日(日)
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