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On the Production
by 井口健二
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■making of LOVE、ゴーストキス、ANPO、美人図、ナイト&デイ、メッセージ、キャッツ&ドッグス、純情+製作ニュース
い息子を予期せずに亡くし、以後は自らの心を閉ざし妻と娘
も遠避けるようになっていた。そんな彼の許を1人の男が訪
れる。その男は人の死期を予見しているようで、彼の訪れに
死期を予感したネイサンは…
人間の死期を知ることの出来る能力を持った人たちが、それ
によって人々の最後を優しく導いて行く姿を描いた物語が展
開される。
映画の原題から、1998年の是枝裕和監督作品『ワンダフルラ
イフ』の英題名が“After Life”だったことを思い出した。
どちらも人の死の前後の悲しみを和らげようとする人々の姿
を描いた素晴らしい作品だ。
人の死が避けられないものとして、いつか自分も同じ時を迎
えたら、こんな風に見守られていたら良いなあとも思ってし
まう。ただ僕の時にはもう少しはっきりと伝えて貰えたらい
ろいろしたいこともあるのに…とは思うが、それはルールと
して出来ないようだ。
人の死というのは常に尊厳を持って描かれなくてはいけない
と思うが、本作はその点でも素晴らしい作品と言える。
ただし本作では、物語のプロローグにかなりトリッキーな展
開があって、途中までその意味の把握に戸惑った。でもそれ
が最終的な物語の結論にも繋がっていたようで、その点でも
納得することが出来たものだ。
出演は、2005年7月紹介『真夜中のピアニスト』などのロマ
ン・デュリス、2008年12月紹介『チェンジリング』などのジ
ョン・マルコヴィッチ、テレビシリーズ『LOST』や、今
年2月紹介『ハート・ロッカー』などのエヴァンジェリン・
リリー。
脚色監督は、フランス人で長編は3本目のジル・ブルドス。
撮影は、ウォン・カーウァイ監督の『花様年華』や昨年6月
紹介の是枝監督作品『空気人形』なども手掛けた台湾出身の
リー・ピンビンが担当している。
『キャッツ&ドッグス 地球最大の肉球大戦争』
“Cats and Dogs: The Revenge of Kitty Galore”
2001年公開『キャッツ&ドッグス』の続編。
太古より、犬と猫は人間のペットNo.1の座を争って戦いを繰
り広げてきた。その戦いは、人間の知らないところで彼ら独
自の科学技術の進歩も生み、地下には巨大な基地も設けられ
…という設定で、犬と猫が大活躍するアクション作品。
基本的な物語の中心は犬で、前作の時は明確に犬=善、猫=
悪という図式だった。その設定が本作ではちょっと捻りが加
えられている。それをどう取るかは、今の世界情勢の中では
多少微妙な感じもするところだ。
それは兎も角、今回もまた人間の目に触れないところで続い
ている犬と猫との熾烈な闘争が描かれる。しかも本作では、
前作ではそれなりに描かれた人間側のドラマがほとんど無く
て、ほぼ全部が犬と猫のお話になっている。
その今回のお話では、キティ・ガロアという元エージェント
猫が人間にも反旗を翻し、まずは犬を狂わせてペットの座か
ら追いやる作戦を準備する。この事態に猫側の陣営も危機感
を強め、対キティの作戦を開始するが…というもの。
そして物語の中心は、警察犬のディッグス。彼は勇猛果敢だ
がちょっとやり過ぎての失敗が続き、再訓練を受けることに
なっている。それは相棒の人間と別れて行われる過酷で辛い
ものだった。そしてディッグスが署内のケージで訓練場への
移送を待っていると…
突然、目の前の床が開いてエージェント犬のブッチが出現。
ディッグスは彼に誘われてエージェント犬の道を目指すこと
になる。その最初の任務はキティ・ガロアの追跡だったが…
ここでもディッグスは独自の能力を発揮してしまう。
それでも助っ人のシーマスやキャサリンの協力でガロアを追
い詰めて行く。
動物たちの声優は、ジェームズ・マースデン、ニック・ノル
テ、クリスティーナ・アップルゲート、カット・ウィリアム
ス、ベット・ミドラー、ロジャー・モーア、マイクル・クラ
ーク・ダンカン。いつもながらの名優揃いだが、それにして
もモーアの役名が、レーゼンビーというのは…?
他に実写の出演者では、クリス・オドネル。それに何度も犬
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08月01日(日)
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