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On the Production
by 井口健二
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■恋するナポリタン、グッドモーニング・プレジデント、君が踊る夏、仁寺洞スキャンダル+製作ニュース
らにアクションも満載でエンターテインメント性の高い作品
に仕上げられていた。
因に、本作で問題となる「夢遊桃源図」(現存する安堅唯一
の真筆とされる)は、現在は日本の天理大学附属天理図書館
に所蔵されていて、国の重要文化財に指定されているとのこ
とだ。つまりその辺は実話に基づくもののようだ。
        *         *
 製作ニュースはこんな話題から。
 4月に『サバイバル・オブ・ザ・デッド』を紹介したとき
には次回作が決まっていないと報告したジョージ・A・ロメ
ロ監督が、同じ回で『4匹の蠅』を紹介したダリオ・アルジ
ェント監督が1975年に発表し、日本では『サスぺリア2』の
題名で公開された“Profondo rosso”(英題名:Deep Red)
を3Dでリメイクすると発表した。
 アルジェントとロメロの関係というと、1978年ロメロ監督
の“Dawn of the Dead”(ゾンビ)の製作にアルジェントが
手を貸したことは有名な話だし、2005年の『ランド・オブ・
ザ・デッド』にはアルジェントの娘アーシアが出演。また、
1990年には2人の共同監督で“Due occhi diabolici”とい
う作品も作られているようだ。
 というロメロがアルジェントの過去の作品を3Dリメイク
するという計画だが、オリジナルは、偶然殺人現場を目撃し
てしまった作曲家を主人公に、数10年前に起きた殺人事件や
その真犯人を察知してしまった霊能力者などが関係し、主人
公に襲いかかる恐怖を描いた作品。
 実は、日本では1977年公開『サスペリア』でアルジェント
の名前が一躍高まった後に、配給会社が勝手に『2』の題名
を付けて公開(1978年)したもので、物語的には何の繋がり
もない。因に、2009年2月紹介の『サセペリア・テルザ』は
3部作の完結編となっているが、1980年『インフェルノ』を
第2作としての第3作で、本作は関係ないものだ。
 そして今回の計画では、オリジナルの製作総指揮を手掛け
たダリオの弟のクラウディオ・アルジェントが製作と脚本も
担当しているもので、ロメロとしては、ゾンビをちょっとお
休みしてのゲスト監督という感じかも知れない。とは言え、
ロメロはこれで3Dにも初挑戦することになり、今後のゾン
ビの展開にも興味が生じるところだ。
 イタリア=カナダの共同製作による計画で、撮影はカナダ
で今秋に開始される。なおダリオ・アルジェントは、ロメロ
のリメイクには一切口を挟まないことにしているそうだ。
        *         *
 続いても3D製作の情報で、ディズニーが今夏に撮影を予
定しているシリーズ第4弾“Pirates of the Caribbean: On
Stranger Tides”の撮影を、Disney Digital 3Dシステムで
実施すると発表した。
 この計画では、3Dで公開することは先から発表されてい
たものだが、当初の計画では撮影は2Dで行った後に3Dに
コンヴァージョンするとされていた。ところが、今春同様の
方式で公開された『タイタンの闘い』に関しては、その3D
コンヴァージョンに今一つ良い評価が得られておらず、本作
では撮影から3Dで行うことが決断されたようだ。
 因にディズニーでは、昨年12月紹介した『Gフォース』は
2Dから3Dにコンヴァージョンしたと伝えられているが、
僕自身は『タイタン』ほどの違和感は感じなかったし、その
出来映えには納得していた。従って3Dの出来映えはコンヴ
ァージョンを行った技術者の技量に拠るとも言えそうだが、
今回の評価はマーシャル監督自身も加わって下されたとのこ
とで、その判断は絶対と言えそうだ。
 ただし、Disney Digital 3Dという名称では、今まで上映
システムとしては発表されていたが、撮影システムがどのよ
うなものかなどは明確でなく、撮影カメラが尋常でなく巨大
とされる3Dの撮影には相当の困難も予想される。しかも今
回の発表で、2011年5月20日の全米公開日は変更されないと
のこと。つまり監督のロブ・マーシャルらには、相当の覚悟
があると思われるものだ。

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05月23日(日)
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