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On the Production
by 井口健二
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■ブライト・スター、パリより愛…、BEAUTIFUL ISLANDS、書道ガールズ、プリンス・オブ・ペルシャ、トイレット、BECK+製作ニュース
その秘密とは、題名にもある通りの「時間の砂」。時の流れ
を司るその神秘を巡って、人類の存亡を掛けた大冒険が開幕
する。
オリジナルのゲームは仕掛けが一杯のアクションRPGのよ
うで、市場でのアクションや崩れ落ちる神殿からの脱出劇な
ど、そんなゲームも髣髴とさせるシーンが連続のアクション
ムーヴィが展開される。
主演は、2005年『ブローバック・マウンテン』でオスカーに
ノミネートされたジェイク・ギレンホール。最近では2006年
『ゾディアック』などで演技派とも称されるギレンホールだ
が、本作では実に楽しそうにアクションを演じていた。
実際に今回の撮影ではアクションもほとんどスタントマン無
しで演じているそうだ。そう言えば『スパイダーマン2』の
準備中には、負傷した俳優に替って一時その主演に決まって
いたこともあったから、今回はその思いが叶ったという感じ
かも知れない。
他には『タイタンの戦い』に出演のジェマ・アータートン、
1982年『ガンジー』でオスカー受賞のベン・キングズレー、
『ダ・ヴィンチ・コード』などのアルフレッド・モリーナら
が共演。監督は、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』な
どのマイク・ニューウェル。
CGIを駆使した砂漠の都の景観やそこで繰り広げられる戦
闘シーンのアクションなども見事で、エキゾチックな気分を
堪能できる作品に仕上げられていた。

『トイレット』
2006年1月紹介『カモメ食堂』と2007年9月紹介『めがね』
の荻上直子監督による3年ぶりの新作。06年作品でフィンラ
ンドを舞台に日本人の姿を描いた荻上監督が、今回は自身が
映画留学で6年間を過ごしたという北米大陸を舞台に、1組
の家族の姿を描く。
物語は、一家の母親の葬式のシーンから始まる。父親はすで
に居ないらしく、残されたのは、何かの研究所で働いている
らしい次男とパニック障害を持つ長男、大学生の妹と、それ
に「ばーちゃん」と呼ばれる女性。あとセンセーという名の
猫もいる。
その「ばーちゃん」は日本人で母親が日本から探して連れて
きたのだが、血の繋がりが在るのか否かは不明。しかも英語
が通じているかどうかも判らない。そして「ばーちゃん」は
毎朝の忙しい時間に長くトイレを独占し、出てくると深い溜
め息を吐く。
恐らくその家庭は以前は母親の存在によって纏まっていたの
だろう。しかしその存在がなくなって家庭は一気に崩壊の危
機に立たされる。でもそこには家族の絆が在り、それによっ
て危機は回避されるはずなのだが。
物語の中心は、一番しっかりしていそうな次男になるが、そ
の次男は何かというと家族からの電話で引っ張り出され、い
ろいろな雑用に追い回される。そんな観ているだけで苛々の
募りそうな家族関係が、ある切っ掛けで纏まりを取り戻して
行く。
兄弟は他人の始まりという言葉も在るようだが、親がいる内
は兄弟であっても、親がいなくなったら…。骨肉の争いとい
う言葉もよく耳にするものだ。でも本作はそんな殺伐とした
ものではなく、あくまで荻上監督らしい暖かなムードで兄弟
の危機が描かれる。
出演は、デイヴィッド・レンドル、アレックス・ハウス、タ
チアナ・マズラニー、それにもたいまさこ。兄弟を演じる3
人はいずれもカナダで活躍する若手俳優で、特にタチアナは
今年のサンダンス映画祭でブレイクスルー賞を受賞した有望
株のようだ。
一方、「ばーちゃん」役のもたいは英語が理解できるのかも
不明という役柄で、全編ほぼせりふ無しという難役をひょう
ひょうと演じている。他に、2008年3月紹介『西の魔女が死
んだ』のサチ・パーカーも出演している。

『BECK』
1999年から2008年まで月刊少年マガジンに連載され、2002年
講談社漫画賞を受賞したハロルド作石原作による少年漫画の
映画化。
自らこのまま平凡な人生を送るだろうと思っていた少年が、
1人のミュージシャンとの偶然の出会いによってバンドのメ
ムバーとなり、失敗や挫折を経験しながらも一歩一歩音楽の
道を進んで行く姿が描かれる。

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04月18日(日)
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